中妻じょうた

板橋区議会議員 中妻じょうた のオフィシャルホームページです。ブログやSNSを通じて積極的な発信・交流をしております。是非ご意見ください!

板橋区議会議員

ホーム > ブログ > 地元議員が来ない(2)—「町がなくなってしまう」(7/25 南三陸)

地元議員が来ない(2)—「町がなくなってしまう」(7/25 南三陸)

7/24に都内4ヶ所・山梨1ヶ所で地域の皆様の多大なご協力を得て中古家電を集め、7/25に石巻でいったん荷降ろしをしました。その後、配布イベント当日の打ち合わせのために、第一貨物石巻営業所様や、南三陸のホテル観洋様と打ち合わせを行いました。

ホテル観洋では、女将の阿部憲子さんがお忙しい中、私たちを温かく迎えてくださいました。
ホテル観洋は避難所となっており、ご訪問した7/25時点で約500人の避難者がいらっしゃいました。ホテル観洋はスタッフ一丸となって避難者のお世話をするとともに、地域のために新しい試みを行ったり、地域経済復興のためのさまざまな活動を行っていました。



写真の左奥が女将の阿部憲子さん。左手前は、Twitterアカウント@kanyo11の「中の人」の一人、渡辺陽介さんです。

女将さんは実に多くの話を、初めて会う私たちに話してくださいました。
残念ながら、多くはつらい話でした。自然の猛威もさることながら、政治・行政の至らなさを痛感させられる話が多かったのです。

「まるで発展途上国」

「南三陸町は、水道が回復するまであまりにも時間がかかりすぎた。他の被災地は最低限のライフラインとして最優先対応していたが、南三陸では、震災から4ヶ月経ってようやく水道が通った。今(7/25)もまだ三分の一の世帯は水が出ていない」

「トイレがどうにもならなかった。仮設トイレでは足りず、新聞紙を敷いて用を足していた。ぜひ簡易トイレを送ってほしかった。
また洗濯も難渋した。みんな川に出ていって洗濯をした。下着などもあるわけだから、最初のうちは隠れるように洗濯していたが、そのうちみんなおおっぴらに川で洗濯するようになってしまった。あらゆる川で洗濯が行われていた」

「当然、ひどく不衛生な状態になった。大量のハエが発生するようになり、最近ではすっかり見なくなった「ハエ取りリボン」が大量に必要になった。それでも追いつかず、もう振り払っても無駄なので、みんな顔や体に止まるハエを振り払わなくなった。まるで発展途上国のような状態だった」

南三陸は町役場の庁舎も全壊状態であり、行政の被害も甚大でした。しかし話を聞いていくと、どうもそれだけではないように思われました。

「淡水化装置を入れようとしたら、急に水道復旧工事が進み出した」

「上水道がいつまで経っても復旧しない。ホテル観洋では最大時で600人の避難者を抱えていて、水道のない状態は限界を迎えていた。そこで東京の会社に、海水を淡水化する装置を設置してほしいと要請をした」

この件については、読売新聞の記事になっています。

海水から生活用水…南三陸町で淡水化装置が活躍(YOMIURI ONLINE)

しかし美談のはずのこの話には、おかしな経緯もあったようです。

「当初は『行政の要請によって提供することになっているので、民間会社には出せない』と言われていたが、ないと本当に困ると訴え、対応していただいた。しかしあとから聞くと、3月末にはどこにでも貸せる準備が整っていたそうだ。なぜそれが6月までどこにも出されずにいたのか」

淡水化装置のメーカーも、当然まず行政に話を持っていくでしょう。それに対して行政はどういう受け答えをしたのか。そのあたりに行き違い・対応の遅れの原因があるように思われます。

さらに驚くべき話も。

「6/17に工事が始まったが、なぜか、そこから急に上水道の復旧工事が急ピッチで進み出した。
新聞記者に『記事が出るのは7/10。それまでに上水道が復旧してしまうと、記事が出せなくなってしまう』と言われた」

結果的には7/10には上水道は間に合わず、淡水化装置の導入が新聞記事になりました。
その直後に、南三陸に待望の上水道がもたらされました。

本当のところはわかりませんが、なんともいやな勘繰りをしたくなるような話です。
6/17までどういう状態だったかはわかりませんが、本気を出せば1ヶ月そこらで復旧したんじゃないか? とも疑りたくなります。
おまけにこんな話も。

「上水道がまだ出ていないのに、ペットボトル水の支援が早々に打ち切られた。まだ必要だと言っているのに…」


建築制限で、プレハブ店舗ひとつ建てられない

「行政も町議会議員も被災したが、町長は無事だった。町長の判断でできることも多いはず。町を復興させるためには、プレハブの仮設店舗でもいいから作って、豊かな南三陸の海の幸をてこにして経済を回さなくてはならない。しかし今、被災地には「建築制限」がかかっている。自分の土地であってもプレハブ小屋ひとつ建てることができない」

「ある事業主が、いつ仮設店舗を建てられるようになるのかと町長に問い合わせたところ「12月以降」という返事が返ってきた。12月「以降」だ。それよりももっと遅いこともあり得るという意味だ。いったいどうするつもりなのか。9/11で震災発生から半年経ち、雇用保険も切れていく。このままではみんな町から出ていってしまう。既に若い人がどんどん流出している。このままでは町がなくなってしまう」

「宮城県は被災した事業者を救済するための資金を400億円準備したとして、希望者を募った。しかし最終的に認められたのは9億円だけだった。何のための資金なのか」

“とれたて村”にぜひ出してほしいが…

板橋区に住む方はよくご承知と思いますが、ハッピーロード大山商店街と上板南口銀座商店街に「とれたて村」という地方特産品を扱うお店があります。

私は女将さんに、「ぜひとれたて村に、南三陸の名産品を出してください!」とお願いしたのですが、女将さんは残念そうにこう答えるのでした。

「津波で冷凍設備がやられている。建築制限のせいで、冷凍して輸送することができない。生ものなら出せるが、夏だと鮮度が…」

被災地にかけられている「建築制限」が大きな問題になりつつあると私は考えています。
防潮堤が破壊されていて、余震による津波が危険だから、というならまだわかります。が、いろいろな話を聞くとそうではないのではないかという気がしてきます。何か遠大な復興構想のために、被災者の明日の糧を省みていないのではないか、と。

「町のデザインに大学の先生が入っているらしい。いろいろ考えているようだが、まず聞くべきは地元の意見ではないのか。町の機能そのものが失われているのに、ゆっくり計画を練っている場合だろうか」

「気仙沼と南三陸の求職者の数は5,000人。これらの人に働く場を与えなければならない。そのためには雇用を生み出す力を持っている人を支援する必要がある。しかし、今一番顔が暗いのは経営者。時間が経てば経つほど、資金が無為に失われていく。水産部門は8割やられている。一次産業だけでは足りない」

情報の往来を止めるな

「もっと多くの政治家に来てほしい。いろんな立場の人の話を聞いてほしい。
またこちらでも情報を得られる体制を早く作ってほしい。地元の新聞社も被災しており、亡くなった人の数も1,200人以上とは言われるが正確にはわかっていない。どうか、報道を継続してほしい」

(続く)

ブログ筆者プロフィール

ブログ筆者プロフィール

中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

板橋区議会議員

お問い合わせはこちら