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地元議員が来ない(3)—「まず必要なのは、集まる場所だ」(7/25 南三陸)

前回から少し時間が空いてしまいましたが、話としては前回書きました、ホテル観洋にお伺いしたときの直後になります。
南三陸町の、吉野沢仮設村にお伺いしました。



吉野沢仮設村の外観です。「県民の森」の敷地に作られています。

玄関の回りが木材とプラスチック材で覆われているのが見えますでしょうか。これは、もともとは仮設住宅についていなかったものです。仮設住宅はもともとひさしなどがまったくない状態で、雨が降っていると少し玄関を開けただけで奥まで雨が入ってきてしまうため、住民とボランティアの方々が協力して、玄関の回りに覆いをつけたのです。

また写真で見るとおり、仮設村は下がすべて砂利敷きになっています。
私の区政報告会においでいただいた車いすの方は、「砂利の上を車いすで移動するのは大変な労力がかかる。できれば砂利はやめてほしい」 とおっしゃっていました。

手作りコミュニティ「福幸茶論」

さて、この吉野沢仮設村の特筆すべき点は、住民主導で「集会所」を作り上げたことです。



名付けて「福幸茶論」。テントとあり合わせの材料で、住民とボランティアの方々が力を合わせて作りました。看板も見事な出来栄えです。

仮設村を設置する時点では、集会所をどうするかといった視点は存在しません。行政側はひとつでも多くの仮設住宅を建てるよう努力します。

しかし実際には、集会所は切実なニーズなのです。困難な状況に立ち向かうためにはみんなが力を合わせなければなりません。そのためには相互理解が必要です。相互理解のためには、お互いを理解するための「場」が必要なのです。

「ないなら自分たちで作ってやる」

この発想が、吉野沢仮設村のすばらしいところです。



天井には仙台仕様の七夕飾りがかかってました。寄贈されたものを飾っているそうです。



図書コーナーもあります。子どもにとってはうれしいですね。避難所生活や仮設生活では、子ども向けのおもちゃや本・DVDがあることが結構重要です。そういうものがないと子どもをおとなしくさせておくことが難しく、親のほうがまいってしまうのです。



この「福幸茶論」づくりを主導し、吉野沢仮設村で中心的な役割を果たしている畠山鉄雄さん(左側)にいろいろお話を伺いました。

畠山さんは、仮設住宅に住む子どもたちのために、吉野沢および周辺地域の子どもたちにカブトムシ1000匹をプレゼントし、新聞にも載りました。心のツボといいますか、そういうものを大変よくご理解されている方でした。

「自治会が必要だ」

畠山さんは、「仮設村で自治会を立ち上げる必要がある」というお話をしてくださいました。

南三陸町は、もともと志津川町と歌津町が合併してできた町です。ですから、コミュニティとしてはそれほど統一感があるわけではありません。同じ町民でも「あいつは歌津もんだから…」みたいな感覚が存在することは、まあ、致し方ないことだったのです。

しかし、津波は、古くからのコミュニティを根こそぎ破壊しました。
仮設村では、当然志津川か歌津かなんて区別されません。とにかく抽選であたった順からごっちゃに入れられてしまいます。 無理からぬことではありますが、しかしそのままでは仮設村にはいつまでたっても一体感が生まれず、助け合いの心も生じにくくなります。新しいコミュニティを作るのは切実な課題だったのです。

さらに、行政に対してもの申すためにもコミュニティが必要です。南三陸町の佐藤仁町長は震災以後死力を尽くして町民のために働いていますが、これほどの混乱の中ですから、様々な問題も起こってきます。例えば、あくまで私が聞いた話の範囲ですが、仮設住宅に抽選なしで入っている人がいるとか、障がい者用の仮設住宅に障がい者でない方が入り、障がい者は仮設に入れなくて不自由している、といった話もありました。

このような話を行政に持っていって改善してもらうためには、個別にバラバラと苦情を言うよりは、やはりまとまって行ったほうが効果的です。そのためにも自治会は必要です。

私がお伺いしたときにはまだ自治会はなく、畠山さんはどうやってそれを作るか苦慮しておられました。

「私が主導するのはうまくない。私が音頭を取ると、『なんだ、今までみんなを世話してきたのは自治会長がやりたかったからか?』と言われる」

田舎故の難しさもあるのですね^^;

後日、吉野沢の自治会づくりをずっと手伝っていたボランティアの方から、無事自治会が立ち上がったと聞きました。自治会長は畠山さんではありませんでした^^;;

 しかし、冬が来る…

見事な手作りコミュニティを作り上げた吉野沢仮設村ですが、しかしこのような「オープンカフェ」は、とてもではありませんが東北の冬では使い物になりません。

吉野沢仮設村を訪問した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表の西條剛央さんが、このようなツイートをして懸念を示しています。

http://twitter.com/#!/saijotakeo/status/111218577465548800

一見当たり前のようだけど、こういう場は60以上ある南三陸町の仮設群の中で初めてみた。ここは集会所がないために(一応あるということになっているが、実際に使えるものはない)、集会所を作って欲しいという希望は物凄く強かった。テントはもうすぐ冬がきたら使えなくなる。

http://twitter.com/#!/saijotakeo/status/111219452913258497

「いろいろ困っていることはあるが、願いはただ一つだけ。集会所を作って欲しい」とリーダーの老人が言っていた。冬に入ってからの孤独死などを防ごうとしているのだと思う。新たにできる駐車場車を移して集会所を確保するとか、近くの民家を集会所にするとか、どうにしないといけないと思う。

西條さんが言っているリーダーの老人というのは、おそらく畠山さんのことだと思います。
畠山さんは私と話したときにも、「何とか孤独死だけは防ぎたい」とおっしゃっていました。

東日本大震災最大の教訓のひとつは、「孤独は危険だ」ということです。
私を熱心に支援してくださる板橋区のご高齢の方は、こんなことをおっしゃっていました。

「この歳になれば、結局大事なことは、みんなで集まって楽しくやることなんだってわかるんだ。だけど、そのためには『小銭』がいるんだよ」

(続く)

ブログ筆者プロフィール

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中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

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