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地元議員が来ない(5)—「理想論より明日の糧を」(7/30 東松島)

 

前回は7/29のお話でした。
翌日7/30は、同様に、あらかじめお約束のあった場所に家電を届けるため、宮城県東松島市に2tトラックを走らせました。



まず、響工業団地仮設団地を訪ねました。北海道夕張郡栗山町の栗山商工会議所青年部の皆様が、仮設住宅の皆様にメロン150玉を送ると聞いたので、それをお手伝いするためです。

仮設にお住まいの皆様は本当に喜んでいましたが、ふいに亡くなった身内を思い出し、涙ぐむ方もいらっしゃいました。
みんな、かけがえのないものを失って、さらにその上このような生活を強いられているのだということを、改めて痛感した一幕でした。



JR仙石線野蒜(のびる)駅のすぐ裏手に住む地域の顔役・坂本雅信さんのもとに家電をお届けし、震災にまつわるお話をいろいろ伺いました。

海に面した野蒜地区は、津波で甚大な被害を被りました。避難所となった野蒜小学校の体育館を津波が襲い、多くの方が亡くなっています。以下のブログ記事が経緯を詳しく書いています。

野蒜で何が起こったか——種花

この場で野蒜小校長の対応の是非を論じることはしませんが、この記事中で述べられている校長の見解は、私が坂本さんから聞いた話とだいぶニュアンスが違います。いずれ、ちゃんと意見をつきあわせ、総括する必要があるでしょう。

「新野蒜駅」は、本当に住民のためになるのか

海に近い野蒜駅は津波で壊滅。現在でも線路・鉄橋がひしゃげており、到底列車が走れる状態ではありません。
仙石線は寸断されており、この地域に住まう自宅避難者の方々は、臨時バスで移動しています。
臨時バスの本数は十分ではなく、朝の通勤時間帯のバスはすし詰めです。

東松島市では、仙石線の復興計画を立てています。
野蒜駅が今の位置では津波の被害を受けてしまうので、 後方の山を切り崩し、新たに「新野蒜駅」を作るという内容になっています。

以下は、坂本さんに見せていただいた、市の復興計画案を示す資料です。(赤字と赤線は中妻が追記しています)



「これは、本当の住民の要望とは違う」と、坂本さんは語ります。

「丘陵地帯を切り崩して新しい線路を引き駅を作るのに、どれくらい時間がかかるのか。それまで、被災した家に住み続けている自宅避難者はこのまま暮らせというのか。引っ越すのであれば引っ越すで覚悟を決めなければならないが、そこもはっきりしない」

「私たちはまず生活を立て直さなければならない。住民がまず求めるのは、現行の仙石線の一刻も早い復旧だ。津波に対しては、逃げるための避難道路と、津波に対応できる避難所を確保してくれればいい。最悪でも命が助かればなんとかなる。現場にいない人たちが夢みたいな復興計画を立てている間にも、被災者は日々疲弊していっている」

意見にギャップ。本当の住民の要望とは

しかし、報道などでは違った文脈で語られているようです。
“住民が要望して”高台への移転が検討されている、という流れで話が進んでいます。



上は、坂本さんが保管していた7/2の河北新報の記事です。赤いマーキングは坂本さんによるものです。

住民の要望をとりまとめた、とされていますが、坂本さんは「一部の地区区長が中心になって進めた話。本当の住民の声とは言えない」とおっしゃっています。



上は、坂本さんが保管していた7/14の河北新報石巻版の記事です。赤いマーキングは坂本さんによるものです。

岡田克也・当時民主党幹事長が野蒜駅や野蒜小学校を視察に訪れた際、阿部秀保・東松島市長は、「住民が高台への移転を希望している」という前提で、岡田氏に支援を要望しています。その際市長は、「高台への移転が進めば、海側に線路を通す意味は薄れる」との見解を示しています。

本当に高台への移転は進むのでしょうか?
移転費用は全額国なり市なりが補助できるのでしょうか。それができなければ移転が進むとは考えにくいです。もし住民置き去りで高台に新仙石線ができてしまったら、海側に住む住民の足はどうなってしまうのでしょうか。

「本当にやらなければならないことは何か」
「それは本当に住民のためになるのか」

これを徹底的に突き詰めなければなりません。

それでも人は生きる

津波で甚大な被害を受け、かけがえのないものを失い、明日の見えない生活を強いられる。
しかしそれでも、東松島の方々は明るさを失っていません。



上記は、8/20に開催が予定されていた「ありがとう東松島元気フェスタ」を応援する横断幕です。
地域の方々が思いを書き連ねています。

「と」の字の下のあたりに、坂本さんの書き込みがあります。
「仙石線を早急に復旧させよう!」と書いてあります。

ありがとう東松島元気フェスタは、無事、盛大に開催されたと聞いています。東松島名物のブルーインパルスも来てくれたとのことです。
公開プロポーズなどもあったようです^^

どうあれ、人の暮らしは営々と続いていきます。
これからの政治家とは、人々の現実にどこまで寄り添うことができるか、それを磨く仕事であるべきだと強く思います。

 

さて、今回で「地元議員が来ない」シリーズは終了です。
被災地シリーズとしてはあと一回だけ、未公開写真のご紹介などをやりたいと思います。




(2011/10/08追記)

先日、坂本雅信さんから丁寧なお礼のお手紙をいただきました。
以下に引用したいと思います。

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御 礼

残暑が厳しかった9月下旬までが嘘のように、朝夕はめっきり涼しくなってまいりました。早いもので、想像を絶するような大震災から半年が経ち、ようやく日常を取り戻しつつあります。

これまでの半年あまり、この東松島市野蒜の地に、遠方よりボランティアに来てくださいました皆様、今まで本当にありがとうございました。
瓦礫と砂泥に覆い尽くされたこの地の復興は、皆様のお力添えがなければ決してなしえなかったと思います。
私どもの家の瓦礫の撤去はもちろんのこと、地域として生活を営む上で欠かせない側溝の泥かきや草刈り、食料や飲み水・衣類や暖房器具など、数限りない物資の援助、多大なる義援金など、本当に本当に いくら感謝しても、し足りません。
本当に 本当に ありがとうございました。

しかしながら、未だ仙石線は通っておりません。商店も 金融機関も 病院も 何もありません。将来この地はいったいどうなるんだろう? 仮設を出た後、いったいどうしたらいいんだろう? 将来の見通しが未だ立たない私たちは、不安で不安でたまりません。それが我々の偽らざる本音です。
だからこそ、この野蒜の地を愛しているからこそ、人との繋がりが本当に大切だと感じております。
そして、まだまだ皆様の力が必要だと感じております。

このような文面で、感謝の気持ちを表すことしかできない私たちではありますが、皆様も お体だけには気をつけて 今後とも暖かく見守っていてくだされば幸いです。
本当にありがとうございました。

平成23年9月26日

仙石線沿線住民の会
野蒜地区在宅住民の会
会長 坂本 雅信

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ブログ筆者プロフィール

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中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

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