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これが「住民参加」か?――高島平団地高齢者地域包括ケア検討委員会

昨日2/1、高島平区民館にて「高島平団地高齢者地域包括ケア検討委員会」が開催されました。

高島平団地は人口16,292人中65歳以上の方が6,612人、高齢化率は40.6%になります(平成23年10月1日現在)。しかし高島平二丁目団地に限ると、高齢化率は実に70%を超えると公表されています(高島平二丁目団地自治会報による)。

高島平団地は、日本の少子高齢化社会のひとつのロールモデルです。
「無縁社会」を乗り越えて、安心して末永く暮らせる団地をつくっていくためには、どうするべきか。
このビジョンを策定する目的で、「従来の行政主導型の取り組みではなく、団地住民やそこに関わりの深い事業者、また学識経験者が中心となって官民協力型の取り組みを目指すために」(「高島平団地高齢者地域包括ケア施策ビジョン報告書(案)」より引用)、本検討委員会が設置され、これまで5回の委員会が開催されてきました。

3次に渡る地域調査(アンケート、訪問調査、ヒアリング)が行われ、またワークショップ(公募18名参加)やタウンミーティング(公募16名+検討委員)も開催され、 広範な意見を求める努力はされてきたと思います。

しかし、昨日開催された検討委員会を傍聴させていただいたのですが、そこで提示されたのは、これが本当に“官民協力型”で作られたのか?と、首を傾げざるを得ないような報告書案でした。

 

「提言」に、これまでの議論で一度も出てこなかった言葉が…

全27ページ中、24ページまでは、調査結果や委員の発言を元に、順当な集約が行われていると読めます。
しかし残り2ページ、まさに「ではどのような結論に?」という段である「提言(案)」の部分で、これまでの議論で一度も出てこなかったと思われる言葉が出てきます。

提言1では「団地に特化した地域包括支援センターを設置する。」と謳われています(断定的な表現ですねぇ。)。

提言4「地域密着型サービスの整備検討」では、「高島平5丁目在宅サービスセンター跡地を利用。」とあります。実務的な妥当性はともかく、前段までの課題集約からどうしてこのような具体的な提言が突如として出てくるのか、私には読み取ることができません。

そして提言10には「シニア活動センターとの連携」が謳われています。
シニア活動センターは、旧高島七小跡地を再活用して設立する予定のシニア世代(前期高齢者前の世代)向けの施設です。
地域住民である検討委員はご存じの方も多そうですが、今後この提言を読む普通の住民は、突然出てきた知らない施設に「???」となる可能性も高いのでは。
ちなみにシニア活動センターは、校舎を再活用するにもかかわらず20億円ほどの見積が示されており、平成24年度予算案を検討する上で論点となる可能性もあります。

提言6は「ICT媒体を利用した情報共有の環境整備プロジェクト」。例としてはスマートフォンなどの入門講座の検討などが謳われています。
文面だけであればまだ理解できる内容ですが、事務局側の説明として「タブレット端末の提案を企業から受けている」といった話が出てきました。
聞きようによっては、そのタブレット端末購入予算獲得のための伏線か?とも取れます。

検討委員からも、「これらの提言には既に予算がついているのか?」 「前段と全然つながっていない」「結局既定路線なのか?」といった質問が相次ぎました。
行政側は「考え方をまとめたものだ」と説明していましたが、その割にはやたら具体的な言葉が並んでいます。

このようなやり方をしては、結局この検討委員会は、行政側が「これが地域住民の意見です」と言えるようにするためのアリバイ作りでしかないのか?と疑われても仕方がありません。

 

もっと住民を信頼し、住民の力を引き出せ

この報告書案の第一の問題は「意見集約→提言」の間がつながっていないことです。

誰もが納得できる論理を構築するための技法「ロジカルシンキング」 というものがありますが、ロジカルシンキングの基本「So What?/Why So?」ができていない、ということです。
「なんでそうなるの?」に答えられなければ、 他者を説得することはできません。

第二の問題は、本当に意見集約をするための段取りになっていないことです。
「従来の行政主導型の取り組みではなく」と謳いながら、行政が勝手に言葉を差し込んでくるなら、それは欺瞞です。
行政から提案があるなら、先にそれを説明し、採用すべきかどうかを検討委員会にはかる必要があります。 なぜそういうやり方にならないのかが不思議です。

総じて行政はこれまで、住民に対して納得できる説明を提供しなくてはならない、あるいは本当に住民参加型でやらなければならない、という必然性を持っていなかったのではないでしょうか。
言葉を変えれば、住民を信用してないのではないか?とも疑われます。

一般意志2.0」 の言葉を借りるなら、まずは地域のレベルででも「民主主義2.0」に踏み出す必要があります。
主権者・住民と実務者・行政の間の「信頼」を回復し、それこそICTを駆使して、従来では成し得なかった意見集約を計る取り組みが必要ではないでしょうか。

今やGoogleドキュメントなどのサービスを使えば、ひとつの報告書を何十人もの人間で編集することも可能です。
Facebookで広範な議論をしつつ、実務のために小規模なグループを作ることもできます。

あまり住民をなめないほうがいいのではないかなと、私は思います。

 

ブログ筆者プロフィール

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中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

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