中妻じょうた

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3/26本会議討論―平成24年度予算案への態度

去る3/26、平成24年第1回板橋区議会定例会の最終本会議がありました。
この本会議は、板橋区の平成24年度予算に対する賛否の態度を最終的に示す重要な会議です。
この場において、私は板橋民主党を代表して討論を述べました。
その際の原稿を以下に掲載します。

正式な議事録は「板橋区議会会議録」での公開をお待ちください。またインターネット中継の録画映像もご覧いただけます。

結果だけ見れば「原案に賛成」となります。
区議会報などでは無機質に「◯」「×」が出るだけですが、板橋民主党は平成24年度予算について、あらゆる選択肢を 排除せずに真剣に検討した結果、最終的には賛成したのだというところをご理解いただけると大変うれしいです。

 

財政が厳しくなってくると“区民参加が進む”?

今回の討論の中で、「旧高島七小跡地活用協議会」「高島平団地高齢者地域包括ケア検討委員会」という2つの区民参加の委員会について言及しました。

まさに討論で述べているとおり、選択と集中を進める上で重要なのは「区民参加」というキーワードだと考えています。
「何を選択するの?」「何に集中するの?」を考える上では、区民の素直な感覚に従うことが非常に大事だと思っています。

先日取材にいらっしゃった都政新報の記者の方とお話をしたとき、彼が“さる板橋区政の大功労者”から聞いた言葉を紹介してくださいました。(申しわけありません、それが誰かは伏せさせてください^^;)

「財政が厳しくならないと、住民参加は進まないんだよ」

財政が潤っているときは、役所におまかせでも大きな問題にはなりません。
しかし財政が厳しくなり、既存事業に大胆にメスを入れなければならなくなると、「じゃあ何を切るんだ」という話を、しっかり区民を巻き込んでやらなければならなくなる、ということなのでしょうね。

記者さんによると、住民参加は地方のほうが進んでおり、東京23区はむしろ遅れている、ということでした。
東京23区は東京都から財政調整交付金が来ており、板橋区も厳しいとは言え、本当に苦境に立たされている地方自治体に比べれば全然安泰という状態でした。これまでは。
しかし、「区の普通預金」とも言える財政調整基金が35億円まで低下したことは、いよいよ真剣に「区民参加」を考えなければならないときだということなのかもしれません。

前置きが長くなりました。それでは討論原稿をご覧ください。m(_ _)m

 

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ただいまより民主党を代表いたしまして、議案第1号「平成24年度東京都板橋区一般会計予算」、議案第2号「平成24年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計予算」、議案第3号「平成24年度東京都板橋区介護保険事業特別会計予算」、議案第4号「東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計予算」、および議案第35号「平成24年度東京都板橋区一般会計予算に対する修正動議」について、討論を行います。

3.11、東日本大震災およびそれに伴う福島第一原発の事故は、日本の姿を完全に変えました。被災地では津波で多くの命が奪われ、生き延びた方々も、寒さ染み渡る仮設住宅で明日の生活に不安を感じながら過酷な冬を過ごしてきました。そして福島第一原発の事故によって、先祖伝来の土地、終の住処として購入した家を捨てて板橋区にも多くの方々が避難されており、もはや帰れないものと覚悟を決めて、板橋区で職を探し、子どもを学校に通わせていらっしゃる方もおられます。このような誰も想像もしなかった現実を前にして、すべての「公」はそのあり方を根底から問われています。防災対策はもちろんのこと、「絆」「寄り添い」といったキーワードが大きくクローズアップされたとおり、最後に私たちを救うのは人と人とのつながりだということを私たちは学んだのです。「3.11」はすべての日本人に意識の変革を求めています。それ故、すべての「公」は「3.11後」であらねばなりません。「3.11前」の「公」では、もはや人々の支持を得られないと私は考えています。

さて、本議案であります平成24年度予算は、はたして「3.11後」にふさわしい予算なのでしょうか。区長も施政方針説明で述べられたとおり、大変厳しい予算と言えます。リーマン・ショック以降急速に財政調整基金が取り崩されており、平成24年度予算案では財政調整基金から52億円を取り崩し、当初財政調整基金残高は35億円まで低下することとなりました。
ただそれも、「3.11後」の予算であれば納得もできましょう。非常に厳しいけれども、ここは基金を大胆に使って、強力に防災対策を進めよう、弱者に目を向けて住民の「絆」を結び直そう、原発がなくてもよい電力消費地を目指して先進的な環境・エネルギー政策を進めよう、このような予算であれば何の異存もなく賛成できるものでしょう。

しかし、提示されております平成24年度予算は「3.11後」の予算と呼ぶには疑問符がつく内容でありました。リーマン・ショック時に見送った本庁舎南館の建設着手の費用が、今回は何事もなかったかのように乗せられてきました。南館建設と北館の改修部分を合わせると、総額87億2700万円にもなる費用です。また旧高島七小跡地利用の着手予算も計上されており、こちらは総額で21億円です。さらに、小豆沢体育館プール棟建築の着手も盛り込まれています。こちらも総額20億円ほどと見積もられていますが、詳細な内容は未だに不明のままに着手がされようとしています。これらを合わせると、3年間で100億円超が見込まれる事業になるわけです。これは本当に「3.11後」として板橋区民に納得していただける予算でしょうか。そして南館関連費用87億2700万円の財源内訳は、一般財源10億5300万円、公共施設等整備基金27億7600万円、起債32億円、特別交付金16億9800万円となっています。今この状況で、10億円以上の一般財源を投入することや、32億円の借金をすることが、本当に区民に理解していただけるのでしょうか。このような観点から、我々民主党は平成24年度予算案に対して、反対、また修正動議の提出、こういったあらゆる選択肢を検討したことを強調させていただきたいと思います。

本予算案を検討するにあたってのポイントは、特に南館建設について、このまま一般財源や財調基金に頼っていく財源計画になっていないか、借金の返済による将来負担は大丈夫なのか、そしてなぜ「今」着手するのか、という3点です。
これらのポイントについて説明を受けましたところ、まず一般財源は設計費、仮庁舎賃借料、移転費などに限られていてこれ以上は増えない、また財調基金からの繰入金は南館関連費用には充当しないとのことでした。
また借金返済の将来負担ですが、板橋区の実質公債費比率は平成20年度2.9%、平成21年度1.4%、平成22年度0.4%と非常に低く、かつ改善傾向にあります。平成24年度で32億円の起債を行なったとしても公債費比率が急激に上昇するとは考えられず、一般的な基礎自治体経営の常識から言えば、許容範囲内であることは認めざるを得ないところです。

そして最大のポイントは、なぜ「今」なのかという点です。なぜわざわざ東日本大震災の翌年にこのような事業を開始しなければならないのか。これも説明を受けましたところ、平成24年度であれば国の示す起債発行可能額の枠が拡大されていて、いわば「今がチャンス」だと、このように説明されたわけです。平成24年度予算は、一区民の素直な感覚からどう見えるか、また「3.11後」の予算としてふさわしいのか、と問えば誠に納得しづらい予算ではありますが、説明を伺えば伺うほど積極的に反対する根拠が希薄になり、逆説的に言えば、実によくできた予算だとも感じられました。

従いまして、誠に不承不承ではありながら、民主党としては平成24年度一般会計予算ほか3つの特別会計予算議案について、賛意を表明したいと思います。しかし賛成するとは言え、多くの問題点を含んでいる予算でありますので、これから述べる点につきまして、ぜひ真摯に、今後の補正予算あるいは平成25年度以降の予算の検討において改善をお願いしたく思います。

まず第一に、わかりにくいという点が問題です。87億2700万円にもなる南館建設事業ですので、広く区民の理解を得るよう、十分説明を尽くすのが当然です。しかし区長の施政方針説明では、南館建設についてはわずか一言触れられただけです。そしてなぜ「今」建設するのかという根拠は、我々議員であっても、担当所管からじっくり説明を聞かなければ理解できないものです。情報公開・区民参加を謳う坂本区政の方針を、ぜひ南館建設についてもしっかり適用していただきたいと思います。

そして、財政調整基金残高が35億円となったことに強い危機感を持たなければなりません。もし今後、毎年度の決算において、余剰財源によって財調基金残高が30億円回復し、次年度予算において財調基金繰入が50億円行われると仮定すると、毎年20億円ずつの赤字となり、平成27年度前後で財調基金が完全に枯渇する計算になります。つまり、あと2~3年のうちに20億円の歳出カットを行わなければなりません。

区長の施政方針説明でも、改めて板橋区経営革新計画の強力な推進、聖域なき事務事業の見直しが謳われました。ぜひこの言葉通りに実行していただきたいと思いますが、少なくともこれまでの坂本区政において、聖域なき行政改革が断行されたという印象は持てません。これまで10年にわたって行政評価制度が実施されてきましたが、行政評価の結果が一向に区政に反映されないことに対して、外部評価委員は厳しい視線を向けています。行政評価の結果が区政に反映されることが担保されるような制度改革を行うべきです。あるいは、もっと広範な区民参加のもと、フルオープンで議論を行う「事業仕分け」の導入も検討すべきです。

そしてこの「区民参加」というキーワードは、区民の視点で税金の使い道について選択と集中を進めていく観点から、極めて重要であると考えます。しかしこれまでの坂本区政において、区民が納得できる区民参加が行われてきたかどうかについては大いに問題があると考えます。私は予算審査特別委員会・健康福祉分科会において、旧高島七小跡地活用協議会の運営について厳しい意見を申し上げました。区民参加の協議会と言いながら、最初から区の基本方針の中で「シニア活動センター」「高島平健康福祉センター移転」「フィットネス事業」の3本柱が定まっており、特別養護老人ホームや保育所としての利用という区政の課題にもマッチしたすばらしい意見が寄せられているにもかかわらず「区の基本方針との整合性から設置が困難」と片付けられてしまっています。特にフィットネス事業については、北側校舎の1階から3階までを使用することを検討するとされていますが、これは特養や保育所よりも優先度が高いものなのでしょうか。しかもひと駅先の西台駅前には民間のフィットネスクラブがあり、民業圧迫も懸念されます。そして総事業費は協議会で提示された額よりも6億円アップして21億円となっていますが、20年間の暫定利用を想定している本事業について、この額は本当に適切なのでしょうか。

これが本当に区民の声を集めた結果と言えるのかどうか、私は大変疑問に思っています。しかし形としては区民参加の協議会による提言となっていますので、もはや議会・委員会においても意見が述べられなくなっています。私の口から協議会の報告書に反対意見は申し上げられませんが、先週22日に行われた高島平団地高齢者地域包括ケア検討委員会では、地元住民の委員から改めて「旧高七小に将来的には保育所を持ってきてほしい」という意見も出されました。これをおっしゃったのは高齢の男性の方であります。平成24年度から基本設計ですので、区長判断であればまだ、こうしたご意見も採用できると思います。ぜひ坂本区長のトップとしての決断で、地域住民の切なる願いに応えていただきたいと要望いたします。

また、財政を圧迫する外部要因として、東京電力による4月1日からの大口利用者向け電気料金17%値上げは看過できません。電気料金が17%値上げされると8600万円の負担増となると議会でもご説明がありましたが、先週21日に東電は方針を翻し、契約電力500kw以下の契約者については契約期間いっぱいまで値上げをしないこととしました。このため区の負担増は圧縮されることとなり、喜ばしくはありますが、このような二枚舌と言われても仕方がない東電の態度は、契約相手として信用できるとは言えないのではないでしょうか。可能な限りPPS採用を推進して、脱東電を進めることが値上げリスク回避にもつながると考えます。そしてさらなる節電の工夫、また区独自で実施できる発電手段の確保に努め、「環境のまち・板橋は原発に頼らなくても大丈夫」と言えるところまで、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

そして、区の支出を抑えつつ区民のための施策を実施するために、国や都の補助金の徹底活用をぜひお願いいたします。発達障がい者対策については、実情を把握するためにも早期に大人の発達相談を実施すべきですが、これは東京都の「区市町村発達障害者支援体制整備推進事業」によって、都の100%負担で1000万円まで補助金が出ます。このような手を上げれば実施できる事業を看過することのないよう、積極的に取り組んでいただきたいと思います。

続きまして、共産党から提出された一般会計予算に対する修正動議について意見を申し上げます。本修正案は、区議会において平成19年に採択されていながら未だ実施されていない出産後一ヶ月健診の実施、また原発に換わる新エネルギーの調査研究と放射能対策部署の設置が盛り込まれており、時節にあったご提案と見受けられます。そして先ほどの熊倉議員の討論では「南館建設は凍結すべきだった」との主張もありましたが、この修正案で南館について何も触れられていないということは、畢竟、南館建設についての共産党のご見解は、注文はありつつもそれを認めるという、我々と同じ立場であると理解をいたします。大変喜ばしい歩み寄りでありまして、我々民主党はこの修正案につきましても、賛成とすることも含め、積極的に検討をさせていただきました。

しかしながら、まず財源が財政調整基金となっている点は問題と考えます。既に申し上げたとおり財調基金は枯渇を懸念しなければならない情勢であり、ランニングコストとなる経費を財調基金から捻出するのは避けるべきであると考えます。また新エネルギー調査研究に正規職員1名を充てることとされていますが、条例改正が必要となる正規職員採用の必然性があるのかについては疑問であり、また本気で取り組むのであれば1名で成果が出るようなテーマではないのではないかと考えます。効果が出ないような投資しかできないのであれば、断念して、選択と集中を進めるべきです。
以上の理由により、本修正案に対しては反対の意を表明した上で、出産後一ヶ月健診については早期に実施するよう、改めて区長に求めます。

最後になりますが、長年板橋区政に貢献され、3月31日をもって退職される浅島教育委員会事務局次長、吉田監査委員事務局長、野島都市整備部参事をはじめ、141名の職員の皆様に心よりの感謝を申し上げて、私の討論を終了いたします。ありがとうございました。

 

ブログ筆者プロフィール

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中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

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