中妻じょうた

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「権限と財源をもぎ取れ」―平成23年度決算への討論

本日、板橋区議会平成24年第3回定例会が閉会しました。
本日の最終本会議において、私は、民主党板橋区議会議員団を代表して、平成23年度決算について討論を行いました。
その際の原稿を以下に公開します。

正式な議事録は「板橋区議会会議録」での公開をお待ちください。またインターネット中継の録画映像もご覧いただけますが、こちらも公開までしばしお待ちください。

以下に討論のポイントを抜粋して示します。

  • さらなる財政の悪化
    …経常収支比率(支出に占める義務的経費の割合。言い換えれば「どうあれ払わなければならないお金の割合」)は前年度よりも悪化して91.1%となりました。そして平成25年度の予算編成過程で公表された生活保護費にも触れ、このままでは「聖域なき見直し」すら水泡に帰しかねないと警鐘を鳴らしました。
  • 国・都からの権限・財源の移管
    … 現在の経済環境下では税収増を期待することは難しく、この状況で確実な歳入増をめざすためには、国や都から権限と財源を「もぎ取る」以外にないと訴えました。区長の政治力と、強力なリーダーシップが大変重要だと主張しました。
  • 旧高島七小跡地活用について
    …区民参加の協議会による平成21年の報告書によって、旧高島七小は「シニア活動センター」「フィットネス施設」「高島平健康福祉センターの移転」の3つを行うと方針が決まっていました。しかしその費用は21億円と、施設の再活用というには高額になりすぎていることをたびたび問題として指摘してきました。
    改めて、旧高島七小の再活用については、最小限の財源投入で済ませるよう区長判断を行うべきではないか、と提言しました。
  • あいキッズについて
    …学校校舎を利用しての放課後子ども事業「あいキッズ」については「平成27年度全校実施」が目標として定められていますが、このペースであいキッズ導入を進めていてはこれは無理であるということを示し、それを押して無理なスケジュールで進めようとすれば、コスト上昇、クオリティ低下、プロジェクト失敗の可能性が高まることを指摘して、平成27年度全校実施は必須ではないと主張しました。
  • 教育委員会について
    … 今、教育委員会が信頼できる組織であるかということについて大変厳しい視線が向けられています。学校選択制、大山小の統廃合、給食食材の放射線検査などを例に上げ、教育委員会が信頼できる組織となるための改善が必要だと主張しました。
それでは、以下の討論原稿全文をご覧ください。




ただいまから、平成23年度東京都板橋区一般会計、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計、および後期高齢者医療事業特別会計の各歳入歳出決算につきまして、民主党板橋区議会議員団を代表して討論いたします。

平成23年とは、改めて申し上げるまでもなく、板橋区のみならず日本の社会を一変させる大事件が起こった年でありました。東日本大震災、そしてそれに伴う福島第一原発事故。この未曽有の大災害に際して、板橋区は総力を上げて災害復旧、被災地と被災者の支援、防災対策強化、放射線対策に取り組んできました。備蓄物資の拡充、飲料水の確保、避難所運営用資器材の購入、木造住宅耐震化助成の拡充、また岩手県大船渡市への物資支援と職員派遣、板橋区への震災避難者の支援、そして、今でも続けられている区役所前の空間線量計測、区立幼稚園・小中学校・公園および区内保育園での空間線量計測、給食食材の放射能計測、さらには、原発事故が原因ではありませんでしたが、基準値を超える放射線量が検出された東板橋公園での除染作業。板橋区の震災への取り組みは高く評価されるべきであり、坂本区長をはじめ、区職員の皆様の比類なきご努力に、一区民として、また被災地出身者として、心よりの御礼を申し上げます。

その取り組みの結果報告とも言うべきこの平成23年度決算、これはもちろん認定すべきものであることは論をまたないと考えます。しかしながら、全庁一丸となってのご努力にもかかわらず、東日本大震災をはじめとする数々の過酷な現実が、板橋区の財政に対して厳しい課題を突きつけていることもまた事実であります。区民の生活を守りつつ持続可能な区政経営を続けていくためには、坂本区長にさらなる強力なリーダーシップを発揮していただいて、これらの課題に果敢に挑んでいただく必要があります。このような観点から、平成23年度決算に対しての見解を申し上げたいと思います。

板橋区の財政は厳しさをさらに増しております。経常収支比率は2年連続90%を超え、前年度よりさらに0.2ポイント悪化して、91.1%となりました。厳しいと言われた平成22年度よりもさらに財政の硬直化が進み、新たな政策に使える財源の確保がより困難になっていると言えます。そして歳出に対する歳入不足により、平成23年度もまた財政調整基金からの繰入を余儀なくされ、財政調整基金残高は前年度より27億8200万円減少し、87億5600万円となりました。

これ以上の財政の硬直化を防ぎ、財政調整基金の減少に歯止めをかけるためには、歳入増のための施策と歳出減のための施策の両方が必要です。しかし税収増を期待することは難しく、さらに歳出削減のためにローリングを実施して聖域なき事業見直しに取り組んでも、それらの努力を上回るペースで義務的経費が上昇しています。平成24年度当初予算では334億300万円が計上された生活保護法施行扶助費ですが、先日の予算編成過程公表によって、平成25年度の生活保護法施行扶助費として365億円が当初要求されていることが明らかになりました。31億円の増です。このうちの4分の1が板橋区負担分ですので、平成25年度当初予算ベースでは、一般会計から7億7000万円を追加支出しなければならないことになります。区民の痛みを伴う全庁的な努力すら水泡に帰しかねない危機的な状況です。この状況を打開するためには、区長の強力なリーダーシップがぜひとも必要です。

今のこの経済環境下で確実な歳入増をめざすためには、特別区長会、およびその中の都区のあり方検討委員会などを活用し、23区を初めとする種々の公共団体と協力して政治力を発揮し、国や東京都から、権限と財源をもぎ取る努力をする以外にないと考えます。国に対しては、例えば生活保護費について、国による100%負担、または基礎自治体4分の1負担分の自治体判断による弾力的運用などを可能にするよう生活保護法の改正を迫ることが考えられます。東京都に対しては、現在停滞気味だとも伝え聞きます都から区への事業移管について、積極的にメッセージを発信し強力に推進していただきたいと思っております。今、板橋区が抱える危機的状況を打開するために必要なのは、このような外交力であり、政治力であり、強力なリーダーシップです。これらを発揮することによって、トップリーダーにしか成し得ない仕事を達成することこそが、今、板橋区長に求められていることだと考えます。ぜひ、坂本区長の奮起によって板橋区を救っていただきたいと切望する次第であります。

それでは、個別の事業についても意見を述べさせていただきたいと思います。基本的な方針としては、財政の硬直化と財調基金の減少に歯止めをかけるべく、聖域なき事業見直しを進めるとともに、選択と集中を進め、重点事業に戦略的に配分をしていくことであると考えます。

先ほど触れました生活保護費については、板橋区が行なっております自立支援のための各種施策、就労支援・無料職業紹介・就労意欲喚起などの事業は高く評価いたします。福祉事務所には必要な人員を確保し、生活保護受給者に対して手厚く支援を行うとともに、不正受給・不適切受給に対して確実に対応していくよう求めます。

また平成23年度は南館解体工事費が計上され、仮移転経費も含めた南館関連事業費は4億2300万円となりました。我が会派はたびたびこのタイミングでの南館改築工事に対して疑問を投げかけてきました。平成24年度予算については不承不承賛成いたしましたが、その前提条件は、南館改築について、これ以上一般財源に影響を及ぼさないこと、そして財調基金からの繰入を行わないことであったことをお忘れなきようお願いいたします。

次に、旧高島七小跡地活用について申し上げます。旧高七小跡地活用協議会が開催されたのは平成21年ですが、その後、区財政を取り巻く環境は激変しました。シニア活動センターおよびフィットネス施設は、現在のこの状況下で21億円をかけて行う事業でしょうか。旧高島七小は今のままでも既に大活躍しています。先日は高島平まつりや、高島平・日刊スポーツ・ロードレースで大いに盛り上がりました。週末には少年野球の練習があり、地域開放教室はいつも予約でいっぱいです。私事で恐縮ですが、東日本大震災直後には、旧高島七小をお借りして地域で中古家電を集め、被災地にお送りするというプロジェクトを実施しました。現状でもこれほど活用されている旧高島七小については、高島平健康福祉センターの移転のみ行い、耐震性に不安がある体育館は耐震補強をして、あとは、現在2つしか貸し出されていない教室をすべて貸し出し、半分ほどは賃貸にして維持管理費も確保して、最小限の財源投入で済ませるようにするというのはいかがでしょうか。旧高七小跡地活用協議会とも協議を行った上で、区長による「高度な政治判断」によって、方針転換を測るべきときではないでしょうか。何卒ご検討いただけますよう、お願い申し上げます。

次に、子育て・教育について申し上げます。選択と集中を語るならば、未来ある子どもたちへの投資こそが、選択され集中されるべき対象だと考えます。保育については引き続き、保育の待機児童解消や家庭福祉員の充実をお願いいたします。また保育園の民営化は推進すべきと考えますが、民営化された保育園での保育士の離職が懸念されます。平成20年に民営化されたかえで保育園では、配置保育士20人中、民営化前から残っている職員は4人だけです。また平成24年に民営化されたばかりのさいわい保育園でも、既に4人の保育士が離職しているとのことです。離職の原因を突き止め、保育士の定着に努力されるよう求めます。

また小中学校の児童・生徒の学力の底上げを行うべく、新たな施策に挑戦していただきたいとも考えています。フィードバック学習や学習指導講師の取り組みは高く評価しております。加えて、協同学習型授業やコミュニティスクールの試験的導入について、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

そして子どもの未来を妨げるリスク、いじめや不登校への対策強化をお願いいたします。特に、近年深刻化している児童虐待への対応を強化するために、板橋区に児童相談所を作ることがぜひとも必要です。こここそ先ほど申し上げた、区長のリーダーシップによって都からの事業移管を実現すべきところです。先般の本会議で力強い答弁もいただきましたので、ぜひお願いいたします。

ただし、あいキッズについては一言意見を申し上げたく思います。あいキッズはもともと学童の待機児童解消策として検討されたものだと理解していましたが、今分科会であいキッズを実施する理由を改めて質問しても、学童の待機児童解消という言葉は一度も発せられませんでした。行政評価結果の指摘によれば、区内全域で平準化を行えば、既に学童の待機児童は解消可能な状態にあると指摘されています。このような指摘をかわし、平成27年度あいキッズ全校実施ありきで進めるために、あいキッズ実施の目的として学童の待機児童解消という言葉を言わなくなったのではないかと、私などは邪推をしてしまうのですが、これは考えすぎでしょうか。聖域なき事業見直しを謳ってのローリング作業の中で、適切なチェックがあいキッズに対しても行われているはずですよねということを確認させていただきたいと思います。またこのまま導入推進を続けるとしても、平成27年度までのあいキッズ全校実施がはたして可能なのかどうかについても疑問が残ります。これまであいキッズ導入ペースは1年で8校が最速ですが、平成25年度以降8校ずつ導入したとしても、平成27年度で49校となり、全校実施は間に合わない計算になります。しかも残っているのは導入が困難な学校のはずです。それでも平成27年度全校実施を強行しようとすれば、現在1校あたり2700万円とされているあいキッズの導入コストが上昇することが懸念されます。私は経験上、限度を超えてプロジェクトの進行ペースを早めようとすると、コストが急激に上昇し、かつクオリティ低下やプロジェクト失敗の可能性も急激に上昇することを知っています。あいキッズは、子どもが喜び保護者が満足することが必要なのであって、平成27年度全校実施が必要条件なのではないのではないかと私は考えます。今一度スケジュールの再チェックをお願いいたします。

また、あいキッズ実施に伴い、学童クラブや児童館の「役割の整理」が行政評価で求められています。区内38ヶ所ある児童館については、用途変更を柔軟にすることで様々な可能性があると考えます。現在PTを編成して検討中とのことですので、ぜひ区民のニーズに応え、かつ施設を効率的に使える施策の提案をお願いいたします。

もうひとつ、教育をめぐる問題で忘れてはならないのは、今、教育委員会が信頼できる組織であるかどうかということについて、非常に厳しい視線が向けられているということです。先日の本会議において教育長は、板橋区教育委員会は隠蔽はいたしませんと、大変力強い宣言をなさいましたが、信頼を得るためには隠蔽をしないというだけでは十分ではありません。まず学校選択制についてですが、議会のみならず町会連合会・PTA連合会などあらゆる方面から学校選択制を見直すべきだという声が上がっているにもかかわらず、ただ教育委員会だけが、学校選択制は世の趨勢だ、児童・生徒数減少の主因は選択制ではない、平成22年に学校選択制検証検討会の報告が出たばかりではないか、きちんとご説明できてないのではないか、といった議論を続けておりました。ようやく最近になって名称の変更も含めて見直しを検討するという答弁が出ましたが、そもそものこの、外部との温度差、これこそが教育委員会という独立性の高い組織の問題点であると自ら認識して、外部の意見を積極的に取り入れる努力と仕組みづくりを行なっていただきたいと考えます。そして学校選択制については、我が会派としては廃止とするべきだと考えますので、ぜひご決断をお願いいたします

また、大山小学校教育環境協議会意見書を最終的にまとめるにあたっては「20人程度の新入生数」という文言が削除されたにもかかわらず、その後に作成された学校案内では、「大山小学校は20人程度の新入生がない場合には閉校とすることとなります」という断定的な文章が読める状態のまま配布されました。その結果、現時点での平成25年度の大山小入学希望者は5名と、今後の存続が非常に厳しい状態になりました。大山小教育環境協議会のメンバーは、裏切られたような気分になるのではないでしょうか。また、学校の給食食材の放射線検査が続けられておりますが、何度も指摘されているにもかかわらず、10月24日に検査結果が発表された食材の産地は、北海道や九州など、検査の必要性が薄い地域のものが多く入っていました。税金を使って検査を行なっているのですから、区民の不安解消に正しく役立つ検査を行わなくてはなりません。これらのような、区民からの信頼を危うくするような行動をぜひ改めていただきたいと、教育委員会に要望いたします。また、セシウム137の半減期は30年ですので、今後長らく食材検査に取り組むことを考えれば、検査を外部委託するよりも、区で食品の放射線量計測のための機器を購入したほうがコスト的に有利です。区で計測機器を購入することで、給食食材の事前検査実施も可能性が見えてくると思いますので、ぜひ計測機器購入をお願いいたします。

最後に、特別会計について申し上げます。国保特別会計については収納率が70%を割り込んだ平成22年に比べ、1.3ポイント改善し、収納率が71.1%となったことは評価いたします。引き続き、未だ25億1580万円と多額である収入未済の解消に努めていただきたいと思います。また医療費・介護費抑制のため、疾病予防事業・介護予防事業の強化、健診受診率の向上、ジェネリック医薬品の普及などの取り組みをお願いいたします。

以上、申し述べた意見を十分区政に反映していただくことを期待して、平成23年度一般会計及び3特別会計の決算を認定することに賛意を表し、討論を終了いたします。ありがとうございました。

ブログ筆者プロフィール

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中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

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