中妻じょうた

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さっさと不況を終わらせて、弱者を助けよう

インフレターゲット政策(これをアベノミクスとはあんまり言いたくない。安倍首相の手柄みたいだし、生活保護一律切り下げなどの政策を見ているとインフレターゲット政策のポイントを理解しているとも思えないので)について様々な意見が飛び交っていますが、どうもミクロの話とマクロの話をごっちゃにしてしまっている節が多々見受けられます。新聞の記事などですら。



私としては、景気回復の「最初の一手」としてインフレターゲット政策は欠かせないものだと考えています。民主党政権がこれをやらなかったことが返す返す残念です。民主党政権であれば、インフレターゲット政策と同時に低所得者対策をやったでしょうから。

なぜインフレターゲット政策が必要か。
最もわかりやすい説明が、ポール・クルーグマン著「さっさと不況を終わらせろ」に実例として書かれています。
これを引用してご紹介したいと思います。
広く多くの方にインフレターゲット政策の必要性を理解していただくことで同じスタートラインに立ち、「次の一手」の議論を正しくできるようにしなければなりません。

あるいは実際に起きた話をしてみることもできる――そしてここで登場するのが、ぼくの大好きな経済学のお話だ:子守り協同組合の話。(中略)これは主に議会職員からなる若いカップル150組ほどの組合で、ベビーシッター代を節約するために、交替でお互いの子供の面倒を見るようにしたのだった。

協同組合が比較的大きいことは利点だった。というのも自分が出かけたい夜に、子守りをしてくれる人を見つけられる確率がかなり高いからだ。でも問題があった。協同組合創設にあたり、お互いがそれぞれ公平に子守りを分担するような仕組みが必要となるが、それにはどうすれば?

協同組合の答はクーポン制だった。協同組合に参加した夫婦は、クーポン20枚をもらう。1枚は子守り30分に相当する(協同組合を脱退するときには、同じだけの数を返すことになっていた)。子守りをすれば、子守られ夫婦は子守り夫婦に、その時間に見合うだけのクーポンを渡す。これにより、長期的に見れば、それぞれの夫婦は受けたのとほぼ同じくらいの子守りをこなさなくてはならない。サービスを受けて渡したクーポンを補充しなければならないからだ。

でもやがて、この協同組合はかなり困ったことになった。平均すると、夫婦たちは引き出しに子守りクーポンの予備を少し持っておこうとする。そうすれば何かの折に、何度か続けて外出することがあっても対応できる。でも、ごくつまらない理由のために、流通している子守りクーポンの数は、平均的な夫妻が希望する手持ちの予備の数をはるかに下回るようになってしまったのだった。

何が起きたんだろう? 夫婦たちは、子守りクーポンの予備が減ってきたのに不安になって、他のカップルの子供を子守りして手持ちを増やすまでは、外出したがらなくなった。でもまさに多くの夫婦が外出したがらないために、子守りをしてクーポンを稼ぐ機会も希少になった。するとクーポン貧乏な夫婦たちは益々外出を控え、そして協同組合内の子守り量は激減した。

つまるところ、子守り協同組合は不況に陥ったのだった。そしてこれは、組合員の中の経済学者たちが理事会を説き伏せて、クーポン供給を増やすまで続いた。

このお話から何が学べるだろうか? あまりにかわいくてつまらないように思えるから「何も学べない」と思う人は、反省すること。キャピトルヒル子守り協同組合は、ミニチュアとはいえ本物の貨幣経済だった。ぼくたちが世界経済と呼ぶ巨大システムの多くの特徴は欠いていたが、世界経済で何がおかしくなったかを理解するために決定的な、ある特徴を備えていた。(中略)

その特徴とは何か? それは、“あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入になる”という点だ。(中略)

少なくとも3つの重要な教訓が学べる。
まず、全体として不適切な需要の水準というのが確かに本当にあり得ることがわかる。(中略)ある週に稼がれたクーポンの数は、その週に支出されたクーポンの数と常に等しくなる。でも、だからといって人々が経済の生産能力を完全に使うほどの支出を行うということにはならない。むしろ支出と同じ水準まで所得を引き下げるように、生産能力が遊休化してしまうわけだ。
第二に、経済は本当にマグネトーの不具合で停滞してしまうことがある。協同組合が困ったことになったのは、そのメンバーがダメな子守りだったり、税率が高すぎたり、あまりに気前のいい政府の失業手当で子守り職に人々が就かなくなったせいでもないし、あるいは過去の過剰に対する必然的な代償を支払っていたせいでもない。困った自体になったのは、一見するとつまらない理由のせいだ。クーポンの供給が少なすぎるため(中略)。(中略)

では、何か打つ手があるのか? これで子守り協同組合の第三の教訓にやってきた。大きな経済問題には、ときには単純で簡単な解決策があるのだ。協同組合は、単にクーポンをもっと刷るだけで惨状から抜けだした。

本当に難しいのは「次の一手」。
現実社会は子守り協同組合と違って、構成員が平等ではありません。不利な立場にいる人には人為的にお金を回すようにしないと、インフレの中で弱者が痛い目を見ることになります。
そのために、生活保護の自立支援や、保育の充実による女性の社会参加拡大、また高まった政府の資金調達能力で思い切って大学の無償化などの教育振興策をやるなど、政府がまずお金を社会弱者に回す努力をしなければなりません。
そして現在の安倍政権は、こういう発想をもってアベノミクスとやらをやろうとしているとは、どうも思えないのです。

しかし「インフレになったからって、ボクは何かをプラスして買おうとは思わないよ」とかいうミクロの理屈でアベノミクスを批判していては、こういう議論ができないのです。
ぜひ多くの方に「さっさと不況を終わらせろ」を読んでいただき、安倍政権に対して的確な提言をしていただければ幸甚です。
http://www.amazon.co.jp/さっさと不況を終わらせろ-ポール・クルーグマン/dp/4152093129

ブログ筆者プロフィール

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中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

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