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国民の生命と財産に責任を持つなら、いますぐ安保法案を取り下げるべき

いわゆる「安保法案」の議論で、国会が緊迫しています。私はいち地方議員ではありますが、国民の生命と財産を守ることに資するとは到底思えない安倍内閣の国会運営に我慢がならず、一筆書かせていただきたいと思います。

 

 

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写真は衆議院ホームページより引用させていただきました、6/17の安部首相と岡田克也・民主党代表との党首討論の模様です。

 

集団的自衛権に基づいて、自衛隊が他国の軍隊の後方支援をできるようにするいわゆる「安保法案」の議論が国会で続けられています。
威勢はいい安倍首相ですが、説明は二転三転し、結局「なぜ集団的自衛権に基づく後方支援が必要なの?」という最も肝心な点について、納得できる説明がされたとは到底言えません。

 

首相「解釈固執は責任放棄」 集団的自衛権で、年金問題は陳謝 – 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015061801000893.html

 

多くの憲法学者が安保法案に対して違憲であると表明する中、安部首相は「国際情勢に目をつぶり、従来の解釈に固執するのは政治家としての責任放棄だ」と述べています。
憲法違反であるかどうかなど、安部首相にとってはどうでもいいことのようです。

 

ならば、この記事では憲法違反であるかどうかの議論はいったん置いておいて、「政治家としての責任」について問いたいと思います。
もし安部首相がこれを目にすることがあるならば、以下の3つの質問に答えてもらいたいですね。

 

 

問1: 中国や北朝鮮の軍事リスクについて、この安保法案がどう資するのかを説明してください。

 

私のほうにも安保法案に関するご意見が寄せられることが時折ありますが、よくある誤解は「中国の脅威に対抗するため、安保法案は必要だ」というものです。
各所で解説されてはいますが、いま一度この場でも確認します。

 

中国や北朝鮮との軍事リスクに対応するにあたって、集団的自衛権は必要ありません。

 

日本の領土・領海の防衛については、従来からの個別的自衛権に基づいて自衛隊が出動します。
また尖閣諸島で有事があった際には、日米安保条約が適用されることをオバマ大統領が明言しています。

 

米大統領「尖閣諸島は安保条約の適用下」:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK28H68_Y5A420C1000000/

 

防衛問題に関して多くの国民が心配しているのは、中国が日本の領土・領海・領空を侵犯してきたらどうするのか、ということです。
あるいは、北朝鮮が核弾頭ミサイルを打ち込んできたらどうするかということです。
これらの点について、今回の安保法案がどう資するのか、きちんと筋道を立てて説明してください。

 

国民が最も心配していることをうっちゃって別の議論をしているのは、政治家として責任ある態度と言えるでしょうか。

 

ちなみに民主党は、有事とまで言えないような「グレーゾーン事態」について、海上保安庁や警察、自衛隊の連携を強化して迅速に対応できるようにする「領海警備法案」を提案しています。

 

 

問2: 自衛隊員の命を賭けるに足る「国益」とは何かを説明してください。

 

世界中のどこであっても自衛隊を他国の軍隊のための後方支援として派遣できるようにするのですから、何をどう考えたって、自衛隊員が戦死するリスクは高くなると考えるのが当たり前です。
こんな当たり前のことさえ安倍内閣はなかなか認めませんでしたが、ようやく最近になって中谷防衛大臣が、自衛隊員のリスクが高まることを認めました。

 

いくら自衛隊員が命を賭けて国を守る誓いをしているといえ、命を賭するに足る「何か」を希求しようというのでなければ、とてもじゃありませんが、自衛隊員とその家族に申しわけが立ちません。

 

今国会で安倍内閣が例として用いているのが「ホルムズ海峡が機雷で封鎖された場合、エネルギー小国である日本は“存立危機”に陥る」というものですが、まず、ホルムズ海峡が機雷で完全封鎖されることなどあり得るのでしょうか?

 

イランによる「ホルムズ完全封鎖」は非現実的 – 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/71468

 

『完全封鎖を狙う機雷原は、通例は敵の港湾や航路を狙うものとして作られる。ホルムズ海峡はイラン自身も使う海峡であり、その完全封鎖は自国にとっても不都合であり実施はしないだろう。仮に行ったとしても、通例であれば自国沿岸に安全な通行路を用意する。

これは自国や第三国の艦船にはそこを使わせるためだ。…そして、日本はイランとの関係は悪くはない。頼めば通してはくれる程度の関係にある。』

 

『そもそも、完全封鎖は強者が弱者に対して行う戦法だ。イランが米国に挑む戦法ではない。…

また万が一にもイランが機雷封鎖を行おうとしても、米国は機雷敷設を見逃さず攻撃し妨害する。これは攻勢的対機雷戦と呼ばれる戦法である。イランがホルムズ海峡での機雷敷設を始めた場合、米国は妨害を躊躇しない。中央部航路帯近くに機雷を敷設しただけでも、国際海峡の通航確保を理由に攻撃するだろう。』

 

つまり、イランによるホルムズ海峡封鎖は非現実的であり、であれば、いったい何をめざして自衛隊はでかけていくのか?という疑問が宙に浮くわけです。

 

なんのためにそれをやるのかが明確になってないまま、曖昧な法律を根拠として自衛隊を海外に出せば、その場その場の政権の都合で、恣意的に自衛隊が使われる可能性があります。
平和を愛する安倍首相ならそんなことはしないかもしれませんが^^、これは「恒久法」なのです。
安倍首相よりももっとたちの悪い首相に、この「ザル法」が使われるかもしれません。
「法の支配」「立憲主義」が重要な理由はここにあるのです。

 

時の政権の都合で、日本全体の国益とまるで関係のないところで自衛隊員の命が失われることになったら、いったいどうしてその自衛隊員の家族に顔向けができるのでしょう。

 

さらに、もしホルムズ海峡というたったひとつの原油輸入ルートが封鎖されるだけで日本が“存立危機”に陥るのであれば、日本がやるべきことは「多様なエネルギーの確保」ではないのでしょうか。
他国からの輸入への依存度を下げていくために、再生可能エネルギーのより一層の推進をやらなければならないのではないですか?

 

 

問3: 国民の生命と財産が損なわれるリスクを「すべて横一列にして」論じてください。

 

日本国民の生命と財産に対して責任を負うのが政治家であるならば、国民の生命と財産が損なわれる事態については、そのリスクが高い順に、またリスクの発生確率が高い順に対処しなければなりませんよね。

 

「集団的自衛権がないことによって失われる(?)国民の生命」には関心はあるけど、「孤独死するお年寄りの生命」には関心はない、などということは許されませんよね。
リスクの発生確率を問えば、「集団的自衛権がないことによって国民の生命が失われる確率」よりも「お年寄りが孤独死する確率」のほうがはるかに高いのは自明です。

 

いまの日本の最大の政治課題が、少子高齢化であることは明白です。
団塊の世代が後期高齢者になる「2025年問題」について、安倍内閣は対策を主導するどころか、年金原資を株に突っ込んで将来の年金不安を増しています。
また、数が少ない若者の能力と可能性をより一層引き出さなければならないのに、高校中退者数は平成26年度に急増し、また派遣労働者の身分を固定化することに繋がる労働者派遣法改正を推し進めようとしています。

 

さらに、原発の問題があります。
福島第一原発事故は、まさしく日本の国土、日本の富を喪失させました。
同様の事態を引き起こす原子炉が、福島第一以外に全国に48基あります。
このリスクに対応しないのは、政治家としての責任を果たしていると言えるでしょうか?

 

別の議題を持ち出して議論するのは通常は「禁じ手」ですが、重要な政治課題が山積しているというのに国会が安保法案一色になっている現状がどうにもやり切れず、「優先順位を考えるのがトップの仕事だろ?」と言いたくもなるわけです。

 

 

安保法案を取り下げて、国会の時間を有効に使おう

 

国会という、それを開催すること自体が多額の税金を必要とし、限られた時間の中で数多くの政治課題に向き合わなければならない場において、なんのためのなんなのかさっぱりわからない議論をしている暇はありません。

安保法案の議論を続けることは、それ以外の国民リスクを放置することにつながり、それ自体が無責任であると言えます。
安倍内閣は安保法案が無理筋であることを認め、早急にこれを取り下げて、防衛問題も含め、もっと現実的で重要な政治課題について議論するために、国会の時間をより有効に使うべきではないでしょうか。

ブログ筆者プロフィール

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中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

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