板橋区議会企画総務委員会は、7/28に千歳市、7/29に札幌市の視察を行いました。

地方都市にとっては「ふるさと納税」は大きい−−千歳市

千歳市では、シティセールスの取り組みについて伺いました。

千歳市の人口は令和4年4/1時点で97,052人となっており、人口増加率では北海道内市部で1位となっています。

千歳市では2030年人口10万人達成を目標に、千歳市の魅力を発信するための様々な取り組みを行なっています。

YouTube・公式LINE・Twitterなどの活用はもちろんのこと、プロモーション動画コンテストや、千歳市出身の声優・鈴木愛奈さんの起用など、様々な工夫を凝らしています。

そうしたプロモーションチャネルの拡充は、「ふるさと納税」において効いてきます。

令和3年度の実績としては、寄付金額は40億円にのぼり、返礼品総数は1000品目を超えたそうです。

板橋区をはじめとした東京都下の自治体としてはふるさと納税による財源流出が問題となってますが、地方都市としては貴重な財源になっているのが実態です。

私としては、自治体間競争を煽るようなやり方ではなく、国としてきちんと財源をつけて各地域の特産物などを活用した地方創生をやってほしいと思うところです。

パートナーシップ宣誓制度で自治体間協力も−−札幌市

札幌市では、パートナーシップ宣誓制度についてお話を聞きました。

LGBTQなどと言われるいわゆる性的マイノリティの方々についても、パートナーとの関係を婚姻同様に保証してほしいというご要望は数多く寄せられているところです。

東京都も、本年11月から「東京都パートナーシップ宣誓制度」の運用を開始します。

東京都パートナーシップ宣誓制度

札幌市においては平成29年にパートナーシップ宣誓制度が開始されており、現在までで総計160組のパートナーが宣誓しているとのことです。

性的マイノリティへの理解が進み、パートナーシップ宣誓制度が広がるのはよいことではありますが、課題もあります。
それは、パートナーシップ宣誓制度には法的根拠がなく、宣誓を行っても法的な権利や義務を生ずるものではない、ということです。

このままではトラブルが増える。早期の法制化を!

私もLGBTの方々から様々なお困りごとや経験談などをお聞きしますが、感じることとしては、当然ではありますが「性的自己認識以外は他の人と何ら変わるところがない」ということです。

つまり、よい人もいれば悪い人もおり、制度を悪用したり無理筋の主張をしたりすることも想定する必要があること。
また性的マジョリティの結婚同様、パートナー間のトラブルも普通に起こると考えるべき、ということです。

例えば、離別が起こったらどうなるか。
その際の財産分与は。

里親制度を活用して子どもを持つ方もいますので、そうすると親権の問題も生じ得ます。

そして、相続。
片方がお亡くなりになり、遺書を用意してなかった場合、相続はどうなるか。
親族とのトラブルになることは容易に想像できます。

また、札幌市で受領したパートナーシップ宣誓は札幌市内でしか通用しませんので、そのために引っ越しや転勤ができない、という声が既に寄せられているそうです。

札幌市では少しでもできることをということで、新たにパートナーシップ宣誓制度を導入した北見市と連携を開始し、パートナーシップ宣誓を両自治体間で継続使用できるようにしたとのことです。

ただこれは2自治体間の連携に過ぎず、自治体をまたいだパートナーシップ運用の課題解決にはほど遠いと言わざるを得ません。

こうした種々の課題を本質的に解決するためには、国のほうで法制化を進め、性的マイノリティにも法的な結婚の権利と義務を付与するよう法整備をしていくしかありません。

時間が経てば経つほど、また全国の自治体でパートナーシップ宣誓制度導入が増えるほど、トラブルが増えることが予想されます。

偏見に基づく議論停滞は、もはや許されません。
現実問題として性的マイノリティのパートナーシップの法的保証が求められています。

国会において、一刻も早く建設的な議論が行われることを望みます。

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