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子育て世帯10万円、申請しなければ受け取れない人も…「自動的な行政サービス」への転換を!

昨日12/15、板橋区は「子育て世帯への臨時特別給付金」について、年内に現金10万円一括給付を行う旨を発表しました。

令和3年度板橋区子育て世帯等臨時特別支援事業(子育て世帯への臨時特別給付)について

板橋区議会としては、12/17(金)に急遽臨時会を招集し、現金10万円給付について審議します。

こういうときに機動的に対応してこその自治体議会。
迅速に議決し、年内に子育て世帯にお届けできるようにしたいと思います!

ただ、それはいいのですが。
本当に年内に振り込みができるのか。
もし対象世帯からの「申請」が必要ならば、実質的に年内は無理なのではないか?

懸念を持ったので、所管に確認したところ、児童手当受給世帯であれば既に口座情報があるので、申請なしで年内に振り込みが可能とのことです。
しかし児童手当がない公務員および高校生がいる世帯については、年明けに申請書を送付し、申請してもらった上で審査が必要になるとのことでした。
(上述のリンク先のページに、詳細が記されています)

このあたりが、私が12/6の自治体DX調査特別委員会で主張したことと関係してきます。

日本には「統合されたお客様データベース」がない

今どきの時代、多くの方がネットのショッピングサイトやオンラインバンキング、また電子マネーサービスを利用しています。

それぞれのサービスには、銀行口座情報やクレジットカード情報といった決済情報を保持しておく「お客様データベース」があります。
これがあるから、スマホですぐに振り込みができたり、ネットでほしいものをクリックすると、いちいち自宅の住所を入力しなくても自宅に商品が届くわけです。

しかし、日本政府にはこのような「統合されたお客様データベース」がなく、いろいろな情報が行政の担当ごとにバラバラに存在している状態になっています。

今回の子育て世帯臨時特別給付金を例に取れば、「児童手当がない公務員世帯は申請が必要」というのもおかしな話です。

公務員であるなら、その職員に給料を払っている「雇い主」である政府・自治体が、その職員の収入を把握できてないって、おかしくありませんか?
(副業という問題はありますが、それは児童手当受給世帯でも同じことです)

申請に当たって改めて口座情報を申請させるというのも、おかしいですよね。
毎月、公務員にどうやって給料を払ってるんでしょう?^^;

また高校生にしても、「過去には」小学生中学生だったわけです。
多くは、児童手当を受給していたはずですよね?
そのときの口座情報はないのでしょうか?

「共働き合計で年収960万円を超える世帯にも支払われ、不公平だ」との指摘もあります。
これも「世帯ごと」ではなく「個々人」単位の統合データベースがあれば、すぐに合算して算定できるはずです。

特別定額給付金の直後に「お客様データベース」構築に踏み切るべきだった

昨年にはコロナ禍の経済政策として、全国民に1人10万円を給付する「特別定額給付金」が実施されました。

これがもし、例えばAmazonが「全ユーザに10万円分のポイントを発行する」というサービスをやろうとしたならば、作業はあっという間に終わるでしょう。

しかし、特別定額給付金の給付は、各自治体で大量の事務作業を発生させました。
板橋区ではネット申請を受け付けましたが、裏では結局「手作業」で処理してました。
ネット申請を断念した自治体も少なからず発生しました。

「全員に給付する」という最も簡単な条件すら実行できないのです。

その原因は、日本政府に「国民一人一人に現金を給付するサービス」という発想がなく、「申請があれば対応しますよ」という「申請主義」に基づいたサービスしか行なってこなかったからです。

だから、統合された「お客様データベース」がなく、給付金や助成金の事業が出てくるたびに混乱を生じさせることになるのです。

本来であれば、特別定額給付金の直後に考えを切り替えるべきでした。

「コロナ禍はまだ続く。ならば今後、同じような給付金の必要性が生じる可能性は十分ある。そうでなくても、条件に応じて自動的に給付を行うことは、所得の再配分の観点から必ず必要になってくるはずだ」

と、なぜ政府は考えなかったのか。

結局、今回の給付金が決まってから後手に回り、申請処理の手間を繰り返す羽目になっています。

「脱・申請主義」「自動的な行政サービス」への大転換を

12/6の自治体DX調査特別委員会でも発言しましたが、国および板橋区が進めようとしている行政サービスオンライン化の方向性は、未だに「まず申請ありき」という申請主義をベースに検討されています。

これは12/6の自治体DX調査特別委員会で配布された資料ですが、デジタル化・オンライン化が進んでも相変わらず、住民からの「申請」と、行政の「申請受付処理」で成り立っていることがわかります。

行政は、全体としては既に、膨大な量の住民情報を持っています。
それを適切に統合すれば、相当な量の行政サービスを自動化できるはずです。

これこそが真のDXと呼べるものです。

こうした姿は、国でもまだ議論されていません。

脱・申請主義。
そして、自動的な行政サービスの実現へ。

まずは板橋区議会で課題を提起し、国政でも議論が進むよう働きかけていきたいと思います。

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