3/17に行いました予算総括質問解説記事、第3回です。
今回は、私のライフワークのひとつでもある高島平まちづくりについて。
高島平グランドデザインが改定に向けて動き始めます。


10年の歳月と「計画疲れ」——グランドデザイン改定の意義

高島平地域グランドデザインが策定されたのは平成25年(2013年)のことです。現在の尾科副区長が高島平まちづくりの担当者として、各丁目ごとに説明会を開き、膝詰めで住民と議論を重ねた。あの時の高島平の期待感は、私も鮮明に覚えています。

しかしそれから10年以上が経過しました。この間に、交流核形成まちづくりプランやプロムナード構想など、計画が次々と追加され、その派生計画も次々と生まれました。高島平九丁目緑地再整備はプロムナード構想から派生したプロジェクトの一つです。

住民からすると、「また新しい計画が出てきたが、前の計画と何が違うのか」「結局、10年前と比べて高島平の町並みはどこが変わったのか」という「計画疲れ」の感覚が生まれています。目立って変わったところは正直ない——ようやく旧高七小(旧高島第七小学校)に着手するところに来た、というのが現状です。

今回プレス発表で示されたグランドデザイン改定は、こうした状況を踏まえ、次の30年を見据えた新たな指針を打ち出す機会です。改定が、地元住民に「これは期待できる」と感じてもらえるものにならなければなりません。


高島平まちづくりの現在地——2026年の動き

今回の予算審議と同時期に、高島平まちづくりは大きな動きを見せています。

旧高七小(旧高島第七小学校)の解体・再整備
2026年度から旧高七小の解体工事が始まる予定です。UR都市機構との協議のもと、跡地活用の計画が進んでいます。2029年頃の着工、2033年以降の完成が目標とされています。

高島平駅前公共空間の設計開始
2026年度から高島平駅前の公共空間の設計作業も始まります。

UR団地新棟建設をめぐる住民の声
一方で、UR団地の建て替えにあたってUR団地新棟建設計画が住民に提示され、「反対」「懸念」の声も上がっています。UR団地は高島平コミュニティの核であり、建て替えに伴う生活の変化や家賃の急激な変動への懸念の声には、しっかり耳を傾ける必要があります。


質問①:グランドデザイン改定の方針——次の30年のビジョンは

私の質問: 平成25年に策定された前回グランドデザインのどのような点を改定する方針か。

まちづくり推進室長の答弁:

区が目指す「創造都市」の実現に向けて、高島平がその中核を担い、未来志向のチャレンジを誘発する「実証フィールド」となることが求められている。グランドデザイン策定から10年が経過し、地域を取り巻く環境変化・最新の社会トレンドを踏まえながら次の30年の取組を力強く打ち出す必要がある。民・学・公のあらゆる主体が共創する真の創造都市へと発展させるため、都市の将来像やテーマ、整備方針や実現方策まで次の30年計画にふさわしいものへと改定する。

「次の30年を力強く打ち出す」という方針は評価できます。重要なのは、この言葉が具体的な形を伴うかどうかです。


質問②:具体的な6項目の盛り込みを求める

10年以上にわたり高島平まちづくりに関わってきた者として、以下の6項目を改定グランドデザインに盛り込むよう要望しました。

  1. UR団地新棟の家賃激変緩和措置
    建て替えに際し、現入居者の家賃が急激に上昇することを防ぐための激変緩和措置。長年高島平に住んでいた方々が、建て替えを機に「住めなくなる」という事態を避けるために不可欠。

  2. 高島平駅改修
    高島平駅と高島平団地の「接続」が課題。高島平駅前の横断歩道は長年不評であり、ペデストリアンデッキ整備に伴い「改札までアップダウンなしで」歩ける動線が必要だが、この実現のためには高島平駅自体の改修が不可欠。

  3. 高島平駅前広場整備
    高島平地域の玄関口として、バスターミナル・タクシープールを備えた交通結節点と人が集い・憩える空間を兼ねる駅前広場を整備することで、地域全体の魅力と利便性を高める。

  4. 高島平三丁目団地までのペデストリアンデッキ整備
    現在のペデストリアンデッキ構想は、旧高七小跡地に建設されるUR団地新棟止まりとなっている。高島平三丁目団地までつなげることで、歩行空間の維持を求める住民の声に応える。

  5. 西高島平駅およびトラックターミナルの再整備
    西高島平駅の刷新(駅ビル化、バスターミナル・タクシープールの確保)およびトラックターミナルにおける住民利用可能な施設の整備(私は「道の駅」を提案しています)によって、西高島平駅周辺を活性化し「高島平の玄関口」として機能させる。

  6. こども動物園高島平分園の再整備
    板橋区のこども動物園高島平分園は、地域の子どもたちや家族にとって大切な施設。老朽化が進んでおり、魅力ある施設として再整備することで、地域の子育て環境の充実につなげる。

まちづくり推進室長の答弁:

ご提案いただいた内容はいずれも、今回のグランドデザイン改定における課題、あるいは与条件に当たると認識しており、検討の俎上にのるものと考えている。今後、UR都市機構や東京都などの関係機関との協議・調整が必要となることから、多様な関係者を巻き込みながら進めていく。

「検討の俎上にのる」という答弁を得ることができました。UR・東京都との調整が必要な事項が多い中で、これらの要望を公式の会議録に記録することは、今後の交渉においても意義があります。


質問③:高島平まちづくり推進課の体制拡充を

これだけの多様な業務と責任を担う高島平まちづくり推進課の人的体制について、4定一般質問に続いて改めて問いました。

私の質問: 高島平まちづくりに関する業務量は今後一層増大していく。まちづくり担当課の体制拡充の検討は進んでいるか。

まちづくり推進室長の答弁:

来年度から旧高七小の解体工事や駅前公共空間の設計が始まり、グランドデザインの改定にも着手する。分野別まちづくりやデッキネットワークの検討、UR・東京都などとの並行協議も必要で、業務量の増加は見込まれる。高島平まちづくり推進課は創造都市実現の中核を担う使命を持つ課として、多岐にわたる取組の司令塔としてプロジェクト全体をリードする役割を果たすため、引き続き必要な体制構築に努めていく。

「拡充する」という明確な言質は得られませんでしたが、業務量の増大と課の重要性は共有できました。「体制構築に努める」という答弁を、今後の議論の出発点として活用していきます。


私の主張——「住民が期待できる」改定にするために

高島平グランドデザインの改定にあたって、私が最も重視したいのは次の点です。

「計画のための計画」にしないこと。 これまでの10年間で積み上がった計画書の山を眺めて「計画疲れ」を感じている住民に、改定グランドデザインが「新鮮な期待」を与えるためには、「これなら変わる」という具体的な打ち出しが不可欠です。

住民が主語であること。 高島平1丁目から9丁目まで、それぞれ異なる性格を持つ地域が集積しているのが高島平です。計画を「上から示す」ではなく、住民が「自分たちのまちの未来」として自分事にできるプロセスを確保することが重要です。

UR・東京都との連携を板橋区がリードすること。 高島平まちづくりの主要なステークホルダーはUR都市機構と東京都です。板橋区は常にこれらの組織隊と連携していく必要がありますが、地元からの声なくしてはステークホルダーも動きません。板橋区が積極的にリーダーシップを取り、関係機関を引っ張っていく姿勢が求められます。

高島平の再生は、板橋区の未来を左右する最重要課題の一つです。次のグランドデザインが、住民の未来に本当に希望をもたらすものになるよう、引き続き取り組んでいきます。

関連記事

  • 最新記事
TOP
目次