10/26、秋の定例会の山場の「決算総括質問」に登壇しました。
予算と決算の審議の最後に行われる、年2回の「総括質問」は、国会の予算委員会のような一問一答型の真剣勝負。
板橋区議会では、プロジェクターを用いての質問もできます。
今回私が行った総括質問のポイントを、3回に渡って解説します。
23億6000万円もの減収、ふるさと納税で空く「大穴」
住民が応援したい地域を選択して寄付をすることで、居住自治体の税の控除・還付ができたり、寄付した自治体から返礼品が受け取れる「ふるさと納税」。
節税や返礼品でお得な住民や、寄付を受ける自治体にはメリットが大きい制度ですが、東京23区のような都市部の自治体にとっては財源流出の原因となり、住民サービスの低下など弊害が懸念されるところです。
住民が居住自治体以外にふるさと納税を行うと、居住自治体が住民税の控除を行わなければならなくなるからです。
ふるさと納税は、地方の自治体と都市部の自治体で「財源の奪い合い」が起こる構図になっているといえます。
東京23区で構成される特別区長会は、ふるさと納税や法人住民税の一部国税化などを「不合理な税制改正」として、国に是正を求め続けています。
板橋区でも、ふるさと納税による減収額は年々増加し、特に近年は減収額の拡大が大きく、令和4年度は実に23億6000万円もの減収となることが見込まれています。
これほどの減収額になると、住民サービスへの影響を真剣に考えなければなりません。
板橋区でも「返礼品型ふるさと納税」の実施を!
板橋区としては、東京23区と歩調を合わせ、理不尽な税制の是正を求めていく立場です。
また板橋区では「クラウドファンディング型ふるさと納税」を実施し、児童養護施設支援や古民家改修の財源として活用してきました。
最近では、ウクライナ避難民支援のクラウドファンディングが行われました。
このようなクラウドファンディング型ふるさと納税は意義がありますし、今後ともよい企画があれば実行していけばいいと思います。
しかし、こうしたクラウドファンディング型ふるさと納税では、到底26億円もの大穴を埋めることはできません。
また、時間が経つとどうしても住民の関心が薄れ、寄付額が伸び悩むという課題もあります。
このため、私を含む多くの板橋区議が「返礼品型ふるさと納税」の実施を求めてきました。
理不尽な税制の是正は求めるとして、この「大穴」を座視しているわけにはいきません。
また、板橋区には「板橋のいっぴん」をはじめとして、魅力的な特産品もたくさんあります。
板橋区の魅力を知ってもらう機会としても、「返礼品型ふるさと納税」の実施に踏み切ってはどうか。
今回の総括質問で、私は改めて求めました。
政策経営部長からは、以下のような答弁がありました。
ふるさと納税制度を活用した収入確保対策、これ、委員のおっしゃるとおり、クラウドファンディング型でございますけれども、令和元年度から実施しておりまして、当初は寄附の対価としての返礼は原則行わないこととしておりました。しかしながら、ご指摘のとおりふるさと納税の影響額が年々増加していることを踏まえまして、区のブランド向上、プロモーションにつながるものについて返礼品の検討を進めてきました。令和4年度は試行的な取組みとして、ご紹介のありました板橋花火大会の有料観覧席、これ、実施ができなかったんですけれども、それから今実施中の板橋Cityマラソンの出走権を返礼品としたところでございますが、引き続き区の魅力発信につながる返礼品を検討してまいりたいというふうに考えております。
これは、今後に期待ができる答弁ではないかと思います!
板橋区の魅力を高めるための「ふるさと納税」。
こういうことをやってほしいなどのご意見がありましたら、ぜひお寄せください!