高島平のまちを新しくしなければならない。

これは、関係者の共通認識です。

しかし、同じ思いを持ちながら、なんでこうも錯綜するのか。。。

2009年:「旧高七小跡地活用計画」

私が初当選した頃は、「旧高七小跡地活用計画」と言われていて、2007年に閉校になった旧高島七小の校舎を再利用して「シニア活動センター」を作ろうという計画だったんですよね。

旧高七小跡地活用協議会について

(2022年6月の旧高島七小)

しかしエレベータの設置を要するなど、リフォームにしては費用がかかりすぎるため、それよりはもっと大幅な刷新をと私も求めました。

2015年:「高島平地域グランドデザイン」

そして区は、一気に高島平全域を対象とする「高島平地域グランドデザイン」を策定。

高島平地域グランドデザインを策定しました

これは高島平の各丁目ごとに住民説明会を行い、「デザインセンター方式」も取り入れた野心的な内容で、このときの取り組みの本気度は高かったと思います。

しかし、野心的すぎて身動きが取れなくなったのか、目に見える形にならない。

柏の葉デザインセンターなどを参考にした「高島平アーバンデザインセンター(UDCTak)」が設立されましたが、セミナーやワークショップなどの活動はあるも、柏の葉デザインセンターのような「まちづくり構想の中心母体」とはならず。

これは当時私も議会で述べましたが、柏の葉が「白紙のキャンバスに絵を描く」ようなプロジェクトだとすると、高島平は「既に絵が描いてあるキャンバスに、もう一度別の絵を描く」プロジェクトだということです。
難易度が格段に高く、やるべきことは大きく異なります。

板橋区、東京都、UR、賃貸住民、区分所有者、JA、板橋区医師会…

あまりにも関係者が多い。
その調整役としては、UDCTakはあまり機能しなかったという点は指摘せざるを得ません。

2022年2月:「高島平地域都市再生実施計画」

その後、様々なイベントは行われるも、具体的なまちの変化を見ることができないまま7年が経過。

ここで、URが高島平団地の整備計画を「ストック活用」から「ストック再生」に変更、つまり「建て替え」を行う方針へと転換したことで、事態は動き始めます。
区は、UR高島平団地建て替えを計画に組み込んだ「高島平地域都市再生実施計画」を策定。

高島平地域都市再生実施計画を策定しました

ここにおいて旧高七小は、UR団地建て替えのための「種地」として使用される方針となりました。

しかし、構想は様々あれど、明白に決まったことはこの「種地」のことだけで、それ以外のことは具体的には何も決まっていない状態でした。

2022年12月:「高島平未来都市公共サービス構想」

そして、この12/1の区議会企画総務委員会で報告され、12/8の高島平区民館ホールでの住民説明会で説明されたのが「高島平未来都市公共サービス構想」です。

高島平未来都市公共サービス構想の具体化に向けて

さて、どうでしょうか。
どのへんが新しい部分か、おわかりになりますでしょうか?

私も高島平の議員の職務として計画を追っているつもりですが、正直、だんだんわからなくなってきます…^^;

一般の住民にとって、どこが新しくなったのか理解するのは、かなり困難なのではないでしょうか。
説明会に出席していたある町会長さんは「どこも変わってないよ…」とおっしゃっていました^^;

高島平のまちづくり、今押さえておくべきポイントは?

今回の企画総務委員会および住民説明会で明らかになった、具体的なポイントは以下の3点です。

  1. 旧高七小周辺の公共施設は「定期借地権方式」により土地を民間企業に貸し出し、民間資本による建て替えをめざす。
     
  2. 旧高七小周辺の公共施設のうち、「ホール」「図書館」は駅前に移転し、「区民事務所」「CAPS高島平(児童館)」「健康福祉センター」などは旧高七小敷地の南側部分を使って整備する。
     
  3. 高島平まちづくりは、この2年間が勝負。

ごちゃごちゃといろんなことを言っていますが、現時点ではこの3点を押さえておけばよいでしょう。

「定期借地権方式」による公共施設の民間整備については、十分にチェックする必要があります。
うまくいけば民間のセンスでよいものができるかもしれませんが、企画総務委員会では私は「ホームランか、三振か」と述べました。
住民の意見を取り入れる場をしっかり作ることが重要です。

「ホール」と「図書館」を駅前に移す、というのは住民説明会で出てきた新しい話です。
これにより、高島平駅前がにぎわいある空間になればよいのですが…!

そして、この2年間が勝負。
「高島平地域都市再生実施計画」によれば、来年からいよいよ旧高七小の解体が始まり、令和7年から着工する予定となっています。

つまり、令和7年までの2年間で、どこまで関係者の調整を図り、住民との話し合いを深め、計画を具体化できるかが勝負…ということです。

私としても、しっかり取り組んでいきたいと思います。

もうひとつ: 「外出したくなる・移動しやすい安全なまちづくり 回遊の分析・向上実装プロジェクトin高島平」

もうひとつ、別部門で行われている高島平関連の計画をご紹介します。(本当にややこしい…)

外出したくなる・移動しやすい安全なまちづくり 回遊の分析・向上実装プロジェクトin高島平

これは東京都の「地域を主体とするスマート東京先進事例創出事業」に、今年8月に採択された実験的プロジェクトです。
デジタル技術を活用し、防災・にぎわい・モビリティ向上などに役立てていきます。
概ね、以下のように進展するとのことです。

令和4年度:街中にWiFiやセンサーなどを取り付け人流把握、災害時シミュレーションツール構築

令和5年度:VR・AR等のデジタルコンテンツを活用したまちづくりイベント

令和6年度:便利な移動モビリティの検討・導入

特に私はスマートモビリティに注目していまして、これからの時代は「安全で誰でも使えるパーソナルモビリティ」をいかに普及させるかがまちづくりの鍵になると思っています。

ゆくゆくは、高島平が次世代エネルギーや自動運転の実用化に資する先鞭となればいいなぁと思ってますが…。
さて、いかがなるか。

引き続き、高島平に明るい未来をもたらす提言を続けます!

ぜひ、皆様のご意見をお寄せください。

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