10/11の補正予算討論解説、2回目です。

1回目の記事はこちら。

区施設の光熱費が1.4倍に!?

10/11の補正予算討論で、私は今後継続的に議論すべきポイントを4点挙げました。

  1. オミクロン株対応ワクチン
  2. 光熱費の高騰
  3. 志村小・志村四中一貫校および上板橋一中の「ZEB化」
  4. 財政調整基金の積立

この中の2と4が関連しています。

まず、今回の補正予算には、多数の区施設の「光熱費の追加」が含まれています。

最近の原油高・物価高騰の影響を受け、板橋区の本庁舎、区立保育園、保健所、清掃事務所、公園、小中学校などの光熱費が当初予算時よりも1.4倍ほどになってしまい、このままの予算では年度末まで持たない可能性があるため、光熱費を追加する補正予算が盛り込まれたものです。

区の財政担当者も「こんな補正予算は過去組んだことがない」と語る、またも「未曾有の事態」です。

2校は「ZEB化」で消費エネルギーを半分に

こうした光熱費高騰に加え、板橋区は2050年までに二酸化炭素の実質排出量ゼロをめざす「カーボンゼロシティ宣言」を行っています。

地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況

こうした状況下、板橋区としても脱炭素社会への貢献が必要なわけですね。

そこで注目されるのが「ZEB」です。

「ZEB」とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング」の略で、省エネルギーと再生可能エネルギーの両方を活用することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることをめざした建築物を指します。

ZEBとは?(環境省ZEB PORTAL)

(環境省ZEB PORTALより引用)

脱炭素社会、そして光熱費高騰。

これらを鑑みればZEBの推進は必然と見受けられますが、9/29の企画総務委員会での審議では、必ずしもそうではなかったのが引っかかっていました。

ZEB化によってかかる余分なコストを懸念する意見。
そして、そもそも志村小と志村四中の一貫校化に反対しているが故に、ZEB化の議論に入れない意見。

老朽化した志村小学校を建て替えるためには、志村四中との一貫校化は不可避です。

ちょっとこれは残念な議論だ…と思ったので、10/11の討論でこの点を強調した次第です。

エネルギー消費50%削減をめざす「ZEB Ready」

まず、ZEB認証には4つのランクがあることを知る必要があります。

ゼロエネルギー化って本当にできるの?(環境省ZEB PORTAL)

(環境省ZEB PORTALより引用)

志村小・志村四中一貫校および上板橋一中は、この中の「ZEB Ready」をめざしています。

上図の通り、ZEB Readyでは「省エネルギーで消費エネルギーを50%以下に削減すること」が求められています。
ZEB Readyにおいては、エネルギーの創出は含まれていません。

省エネルギー設計になっていない古い建物を、外断熱や高効率空調などの省エネ効果が高い設計にて建て直すだけで、相当な省エネルギー効果があります。

10/11の討論で、私は「50%エネルギー消費を減らせば、50%エネルギーを生み出したのと同じである」と訴えました。

まずは、板橋区の施設で「ZEB Ready」の認証取得を推進する。

そして、現在の円安・物価高を鑑みれば、エネルギーの国産化・地産地消化の推進も不可避です。

これは簡単ではありませんが、板橋区においてもできる工夫を探っていってほしいと思います。

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