3/20、私は予算委員会総括質問に登壇しました。
その中で最も時間を割いたのが、高島平まちづくりについてです。
高島平まちづくりについては多数の計画が乱立し、これまで何度も住民説明会が行われてきましたが、文字と図形と矢印の資料で説明されても、住民はまちのイメージがつかめません。
今回の総括質問で私は、プロのイラストレーターに依頼して描いていただいた「高島平の未来像」を示しました。
これまで一体いくつの計画が?
私は12年間板橋区議会議員を務めて来ましたが、その間、高島平まちづくりの計画は二転三転してきました。
2009年: 旧高七小跡地活用計画
2015年: 高島平地域グランドデザイン
2022年: 高島平地域都市再生実施計画、高島平未来都市公共サービス構想
皆様はいくつご存知ですか?
多角的に検討をしてきたことが、悪いこととは言いません。
ただ問題は、これほど長い時間をかけて検討を続けていながら、「では、高島平は一体どんなまちになるのか?」ということについて、大半の住民はイメージがつかめていないということです。
イメージをつかむためには、「イメージ」を打ち出すしかありません。
今の高島平まちづくりに足りないものは、これだ!
と、総括質問のスクリーンに「高島平駅の未来像」「高島平団地の未来像」の2つのイラストを映し出したのです。
5m持ち上げれば、可能性は無限
この2つのイラストのポイントは、以下の4つです。
① 高島通りの上にペデストリアンデッキを!
② 高島平駅に駅前広場を!
③ すべての団地をデッキでつなげ!
④ 団地を5m持ち上げろ!
以下、それぞれ解説します。
① 高島通りの上にペデストリアンデッキを!
高島平団地の住民をずっと悩ませてきたのが、あの駅前の、高島通りにかかる横断歩道です。
この長い横断歩道を渡り切ることができず、真ん中で立ち往生している方や、突っ込んでくる車にヒヤリとさせられた方を何度見かけたことでしょうか。
まず、高島通りの上をまたぐペデストリアンデッキを作る!
これなくしてどうして「未来の高島平」と言えましょうか。
② 高島平駅に駅前広場を!
高島平駅に駅前広場がないのも、高島平駅の使いにくさの原因になっています。
駅側に設けられたバス停によって歩道が狭くなり、自転車と歩行者・バス待ちの方々が接近し、危険を感じながら通行せざるを得なくなっています。
ここは緑道側に駅前広場を作り、バスターミナルやタクシープールをこちらに設け、乗降の利便性を高めるとともに歩行空間をしっかり確保する。
そして駅前周辺のにぎわいも生み出していく。
これが必要ではないでしょうか。
③ すべての団地をデッキでつなげ!
高島平駅前のペデストリアンデッキは、同じ高さで、すべての団地の棟とつなげます。
これにより、どの棟の住民も、同じ高さでフラットに高島平駅の改札まで行けるというわけです。
高齢の方や子ども、また車椅子の方でも安全かつ楽に駅まで行けます。
また、団地のデッキ接続階では、店舗や集会所、保育園や介護施設・医療施設などを展開できます。
このようなデッキが広がれば、団地外の建物もデッキにつなぐことを希望するようになるでしょう。
そうすればさらにまちが発展します。
④ 団地を5m持ち上げろ!
高島平住民の皆様は、令和元年台風の衝撃をよくご記憶だと思います。あの荒川が氾濫寸前まで行きました。
以来、板橋区議会でも「もし荒川が氾濫せば」という議論が様々行われてきましたが、荒川氾濫時の浸水想定5mと言われる高島平をどうするのか、真正面から捉えた議論はありませんでした。
私は、総括質問でこう主張しました。
浸水想定5mならば、5m持ち上げるしかないだろうと。
ペデストリアンデッキの高さを5mとし、団地の居住エリアは基本的にはそれより上とする。これにより、荒川氾濫時でも居住エリアの浸水は防げます。また周辺住民にとっても、5mの高さの全団地をつなぐペデストリアンデッキによって、広い避難空間ができることになります。
そして空いた5mの空間は、いかようにも使えます。
お店、カフェ、ホール、コミュニティスペース、保育施設、介護施設、スポーツ施設…
特にスポーツ施設は、比較的少ない費用でまちの活性化につなげられます。
バスケットゴールがあれば、そこに若者が集まってきます。
またキャッチボールができる場所がほしいという要望はいつもいただきます。
5m持ち上げれば、いくらでもバスケコートやキャッチボールスペース、フットサルコートなどを置くことができます。
そしてこうしたスポーツ施設は、駅から遠くても人が集まるのです。
5m持ち上げれば、可能性は無限です。
団地を5m持ち上げることによって、安心・安全と、まちのにぎわいの一挙両得をめざすのです。
いかがでしょうか?
ご意見お待ちしています!
板橋区は「プロデューサー」としての覚悟を!
ここまで具体的な「絵」を出すからこそ見えてくるものがあります。
高島平駅をここまでグレードアップしようとするなら、当然、東京都の協力なしには不可能です。
また団地を5m持ち上げるには、URとの合意形成が当然必要です。
こうしたことは、板橋区が明確なビジョンを持ち、関係者との合意形成の場を積極的に作って議論をドライブしなければ進展しません。
この質問に先立ち、東京都庁にて高島平まちづくり担当職員の話を聞く機会がありました。
大変詳しく、また協力的ではありましたが、ただ「待ちの姿勢」を崩すことはありません。
東京都は、板橋区がこうしてほしいというなら協力します…という姿勢です。
これは当然で、板橋区のまちづくりをデザインする責任は、第一義的には板橋区にあるわけです。
板橋区が受け身の姿勢でいたら、何も進まないのです。
私は総括質問の場において、板橋区は「コンセプトデザイナー」「プロデューサー」「コーディネーター」として、先頭に立って高島平まちづくりをドライブする責任がある、その決意を示せ、と質問しました。
区の答弁は、その覚悟を示した…とはちょっと言えないものでありました。
私の役目はここにあります。
高島平まちづくりを強力に引っ張る「エンジン」として馬力を発揮します!
ぜひ、住民の皆様のお力をお貸しください!