9/23のTwitterスペース「板橋区政と地方自治を語る 金曜はご意見伺い第10回」。
議論が大変盛り上がりまして、2時間近くという過去最長のスペースとなりました。
その中で、志村小学校と志村第四中学校が「小中一貫校」として、新たに志村四中の敷地に建築されるという件について、あくつ幸彦さんのテーブルトークに参加された方からご意見をいただきましたので、「金曜はご意見伺い」でお話しした内容を踏まえ、現時点の私の見解をお伝えします。
老朽化した校舎を、ずっと放置しておくわけにはいかない
志村小は現・志村四中の敷地にて、志村四中と一体化した7階建ての校舎となる形でリニューアルする方向で基本構想・基本計画策定作業が進められることとなっており、先般、策定支援事業者が決定したところです。
板橋区としては初の施設一体型小中一貫校となり、例えば屋上にプールが設置される設計となりますので、授業でプールを使う際児童・生徒の移動はどうなるのか…といった、様々な懸念が生じるのは理解できるところです。
私としても、この件に関する教育委員会との意見交換の際、エレベータが一番問題になると伝え、極力エレベータのキャパシティを上げること、授業前の移動の際には不都合が生じないよう段取りをあらかじめ検討しておくことなどを求めました。
そもそも、この一貫校化が必要になった理由としては、老朽化した志村小学校をどうやって改築するか、という課題が背景にあります。
崖に面して造られた志村小学校の敷地は狭く、校舎を取り壊して建て替えようとしても、仮校舎を建てるスペースがありません。
このままでは建て替えができず、老朽化が進んでいく校舎で様々なリスクを抱えながら児童を通わせなければならない、という事態になります。
このため、PTAやコミュニティスクール委員会とも議論しつつ、教育委員会が出した結論が、すぐ近くにある志村四中と一貫校化して校舎を新しくする、というものでした。
そもそも板橋区の小中学校は、制度としては既に一貫化されており、中学生は「7年生」「8年生」「9年生」と呼ばれています。
ただ、その割には校舎を一貫化した例がなく、中1ギャップ解消やシームレスな教育体制といった一貫化のメリットが薄いのではという指摘もありました。
こうした中で、初の施設一体型の一貫校となる志村小・志村四中は、老朽化した校舎建て替えという不可避の事情に加えて、一貫化のメリットを最大化するためのモデルケースとしても期待されます。
民主主義の議論は「同心円状」に行なっていくしかない
「金曜はご意見伺い」でいただいたご意見では、「住民説明会が2ヶ月前に行われたが、そのとき初めて知ったという方も多く、唐突感がある」というものもありました。
上述の通り、それよりも前にPTAやコミュニティスクール委員会を含めた議論を検討会として行なっており、検討を重ねての結論ではあります。
ただ、ご意見として「PTAやコミュニティスクール委員会は、本当に住民の代表と言えるのか」ともご指摘がありました。
こうなってくると、それは「民主主義の問題」となってきます。
その代表者は、本当に「代表」と言えるのか。
どこまでの範囲が、事前に説明を聞き、議論に参加すべきなのか。
町会・自治会やマンション管理組合、もちろん議会も、こうしたテーマになると、なかなか一致した見解を見ません。
民主主義の議論は「同心円状」に行なっていくしかないと私は思います。
ある件について、最も関係が深い当事者がまず説明を聞き、議論に参加する。
その次に、その当事者たちよりももう少し広い範囲で説明と議論が行われる。
次は、さらに広い範囲で…
このように、同心円状に説明と議論を行なっていかないと、有限の時間の中で意味のある結論を出すことができません。
特に、学校の統廃合は、確実に意見が割れます。
100%意見が一致するなんてことは、ありません。
誰でも、母校の名前がなくなるなんてことは嫌ですからね…。
過去にも、大山小学校の廃校や板橋九小・板橋一小の統合などの際には、私も本当に厳しい議論に取り組んできました。
これだけは確言しますが、板橋区の学校について、悪意を持って統廃合をやろうとしている人などいません。
「合理化」なんて理由でそんなことをやろうとしている人など、誰もいない。
それぞれ、やむにやまれぬ事情の中、議論を繰り返して、時には厳しい結論を出さざるを得ないこともある。
この点は、何卒ご承知おきいただければと思います。
その中でも、志村小・志村四中の一貫校化は、決して後ろ向きの話ではないのです。
学校関係者や地元の皆様を中心に、新校舎で一貫化というメリットを活かして、より子どもたちがいきいきと学べる、そんな学校を作っていってほしいと念願します。
そのために、私も微力ながら後押しを続けていきたいと考えているところです。