11/25一般質問解説記事の後編です。

今回は「3.自転車の交通安全について」「4.高島平まちづくりについて」をご報告します。

自転車をもっと安全に。ハードとソフトの両面の整備が必要

自転車の交通安全については、自転車に乗る方、歩行者の方双方から多くのご意見をいただいています。

速度が出る自転車が増えたこと、子どもを複数乗せられる大型の自転車が増えたこと、シェアサイクルの普及が進んだことなどに加え、コロナ禍で宅配事業が伸び、自転車による宅配が増加したことも要因として考えられます。

自転車が走るべき道路を明確にし、安全に走行できる自転車道を整備するなどのハード面と、現在の交通環境に即したルール・マナーの整備および普及啓発といったソフト面の両面で、自転車の安全対策を推進していく必要があります。

Q: リスクの高い道路の重点整備を求めます。例えば、富士見街道や、志村三丁目から坂下にかけての御成塚通りなどがリスクが高いと見受けられます。自動車・自転車・歩行者いずれも多い反面、歩道が狭く、車道も自転車が余裕を持って通行できるだけの幅がないので、自動車も自転車も歩行者もいずれも危険を感じながら通行している、こんな道路が板橋区には多数あり、特に高齢者や障がい者にとっては不安の種となっています。道路整備は時間と費用がかかりますが、まずはこうしたリスクの高い路線から自転車道を整備していっていただきたいと思いますが、区長の認識を伺います。

A(区長): リスクの高い道路の重点整備をとのご質問であります。区内の交通事故件数につきましては、ここ数年、減少傾向となっている一方、自転車が関与する事故は概ね横ばいで推移しており、その対策が急務となっております。ご指摘の路線は、交通量に応じた道路幅を確保することが難しい状況にあるために、道路施設の工夫やマナー・ルールの啓発による対策が望まれる区間であると認識しております。
自転車通行に関しましては、現在策定作業中の板橋区自転車活用推進計画において整備標準を示し、これに沿って路線ごとに事故履歴や地域特性なども踏まえた環境の整備に取り組んでいきたいと考えています。

Q: 自転車が走行するレーンの色を統一していただきたいと要望します。現在、車道における自転車レーンは青く塗られています。しかし、歩道内に歩行者レーンと自転車レーンの2つがある場合、例えば、高島平団地周辺の歩道では、歩行者レーンが赤く塗られているのに対し、グリーンホール裏手の歩道では、歩行者レーンが緑に塗られており、自転車用レーンはどちらも色が塗られていません。こうしたさまざまな色が混在しているため、恐らく自転車の立場としては、何色のところを走ったらよいのかわかりにくいと思われ、結果的には両方のレーンを自転車が走行しており、歩行者としては危険を感じる事態となっています。この際、「自転車は青」とはっきりと統一し、歩道の自転車用レーンや未塗装の自転車用レーンを青く塗っていただきたいと要望いたしますが、認識を伺います。

A(区長): 自転車用レーンは色の統一をとのご質問であります。自転車道整備が開始されました平成12年当時は、歩道を区分して自転車の通行空間を設置する方法が主流であったため、歩行者と自転車を区分する赤色や緑の着色が多く用いられておりました。その後、自転車の歩道通行の課題が明らかになってきたため、近年では車道通行が拡大し、国等のガイドラインにおきましても、車道での自転車レーン整備が標準として示されているところでございます。区でも車道走行を標準化する自転車ネットワーク路線の検討を進めておりまして、その中において、標示やイメージカラーの統一など、分かりやすく使いやすい自転車走行環境を目指す考えであります。

Q: 現在、自転車は車として車道を走行するのが原則となっていますが、遺憾ながら自転車利用者は、自分が車を運転していて、車としてのルールを守らなければならないという意識が希薄な場合も多く、信号無視・一時不停止・右側通行などが横行しています。警視庁に対し、自転車のルール違反については取り締まり強化の要請をしていただきたく思いますが、見解を伺います。

A(区長): 自転車交通ルール違反の取り締まり強化についてのご質問であります。令和2年度に発生しました車と自転車の重大事故におきましては、自転車の8割近く法令違反があったことから、法令違反が事故の要因となっていることは間違いないものと考えています。特に危険な箇所の取り締まりは、逐次警察署に要望しているところでございますが、実施には限界もございまして、安全な通行のためにはルールやマナーの意識向上の面からも対策を講じていくことが必要であると考えます。また、交通安全にはまちぐるみで取り組むべきことから、毎年2回、警察署、町会、商店街連合会など、関係36団体で構成する交通安全協議会を開催し、連携と対策の強化を図っているところでございます。今後ともこうした体制を積極的に活用し、区内関係機関・団体が連携をし、意識啓発と取り締まりの両面から自転車の安全性の向上に努めていきたいと考えています。

Q: 現在の交通状況に適合した自転車の新常識の普及啓発を進めてほしいと思います。子どもであれば、学校で自転車安全講習を受ける機会などがありますが、むしろ成人した方のための「自転車の新常識」を学ぶ機会が必要なのではないかと感じています。特に高齢の方については、老人会などを通じて自転車の安全講習を受ける機会をつくっていく必要があるのではないでしょうか。こうした機会を新たに創出し、自転車のルール、マナー遵守のための講習会等の実施を拡充してほしいと要望いたしますが、区長の認識を伺います。

A(区長): 自転車のルール・マナー遵守のための講習会等の拡充についてのご質問であります。近年、子ども乗せ自転車のマナーの悪化など、交通安全教育を受ける機会の少ない保護者世代をはじめとした大人のルール違反が問題視されております。これを受けまして、区では、子どもだけではなく、保護者が一緒に交通ルールを学べるオリジナル交通安全動画を作成し、保護者世代への安全啓発を進める新たな事業を展開しております。さらに今年度からは、オンライン放送を活用した自転車教室も開始しておりまして、今後、さらに幅広い世帯へ自転車ルール・マナーを啓発できる仕組みづくり、機会づくりに取り組んでいきたいと考えています。

簡単なことなのに、なぜそこまで頑なに拒絶するのか。高島平まちづくりは「できることはすぐやる」対応で信頼感の醸成を

高島平まちづくりについては、新たに現在「高島平地域都市再生実施計画」の素案が提示されており、住民説明会が開催されているところです。
11/2には高島平区民館ホールで住民説明会が開催され、私は住民のご意見を拝聴するために参加しました。

その際、高島平3丁目団地の管理組合関係の方が発言しました。

資料には、分譲である高島平3丁目団地内に区の計画の「線」が入り込んでいる表現があるが、地権者への相談もなく、私有地であるエリアが区の計画に組み込まれているかのごとき図を提示されては、居住者は承服できない。資料からこの「線」を削除してほしい…とのご意見でした。

単に「資料から線を消すだけ」の話です。
こんなもの、即時対応して当然だ…と私は感じたのですが、その説明会において区の担当者は、資料の修正を頑なに拒みました。

担当者はいろいろ理由を説明しましたが、単に「地権者が納得するまで、資料から線を一旦消しておく」だけの話がなぜできないのか、私にはさっぱり理解できませんでした。

こういう対応が、区はまた勝手にことを進めるのではないか…という不信感のもとになるということが、なぜわからないのでしょうか。

これまでも高島平まちづくりは、区の構想と地元の想いがかみ合わないことが多かったのではと思います。
「できることはすぐやる」対応で、信頼感の醸成をしていかなくてはなりません。

その他、新高島平駅周辺を路上禁煙区域に指定することを求めました。
これ自体は受け入れられませんでしたが、吸殻ポイ捨てなどの改善については、現場を確認の上対応するとの答弁が得られました。

Q: 11月2日に高島平地域都市再生実施計画についての住民説明会が高島平区民館ホールで開催され、私も住民のご意見を拝聴するために参加しました。住民説明会はまちづくりに住民の意見を反映させるための重要な機会ですが、その観点からすると、首をかしげたくなるような展開がありました。分譲である高島平三丁目団地の管理組合の関係の方が発言し、配付資料の中の高島平三丁目団地エリア内に入り込んでいる線を問題視しました。この線は「プロムナードを補完する自転車・歩行者ネットワーク」を示したもので、区としては、自転車や歩行者が地域を回遊できるようにするイメージで描いたものであると説明されましたが、地権者への相談もなく、私有地であるエリアが区の計画に組み込まれているかのごとき図を提示されては、居住者は承服できない。資料からこの線を削除してほしいとのご要望でした。私としては、この方の意見は十分納得できましたし、何しろ単に資料から線を消すだけの話ですから、即時対応してしかるべきと私は思いましたが、区の担当者は、資料を修正することを頑なに拒否しました。高島平三丁目団地のエリアについては、資料中でも「住民発意のまちづくり」を行うとうたっているのですから、まさしく住民発意のご意見に基づき、地権者の納得が得られるまで資料から線を削除しておくのに何の問題がありましょうか。同じ場で、区はこの実施計画を「まだ固まっていない計画である」とも説明しているのに、なぜ資料の微修正程度のことができないのか、この頑なな対応には非常に違和感を覚えました。こういう対応が、区はまた勝手に事を進めるのではないかという不信感を招くということをなぜ理解しないのでしょうか。今からでも、資料からこの線を一旦削除すべきです。それができないというのなら、なぜできないのか、理由を明確に説明していただきたく、答弁を求めます。

A(区長): 高島平まちづくりに関連いたしまして、住民説明会での対応についてのご質問であります。高島平地域都市再生実施計画の素案におきましては、高島平地域全体のまちづくりの視点から、機能配置や空間形成等の取組みの方向性を示しております。自転車・歩行者ネットワークを含む空間形成につきましては、道路空間と街区内部を一体的に検討することが望ましいという取組みの方向性を明示することが必要と考えています。実施計画の策定に向けましては、住民の理解が得られますように表現方法を工夫するとともに、今後も丁寧に説明をしていきたいと考えております。

Q: 高島平地域都市再生実施計画ですが、最大のポイントは高島平団地の建て替えのために、旧高七小跡地を活用するという点ですが、どれくらいの期間その状態が続くのか、高島平区民館・地域センター・図書館・健康福祉センターなどの公有地エリアはどうなるのか、わからないことだらけです。何が決まっていて、何が決まっていないのか、大変わかりにくいと感じました。恐らく「まだ固まっていない計画である」という説明どおりなのでしょうが、こうした未確定部分の多い計画こそ、冒頭で質問しましたように、きめ細かいバージョンアップで随時の情報更新や議会、住民の意見の反映を行っていくべきであると考えますが、いかがでしょうか、お答えください。

A(区長): 高島平地域都市再生実施計画についてでございます。高島平地域都市再生実施計画の素案では、小学校跡地を含む再整備地区を起点として、周辺の土地に連鎖的に都市再生を展開していくという方針を示しております。現段階で事業の展開内容が具体的でない部分につきましては、今後も連鎖の段階ごとに、その時点の社会情勢等を踏まえ、内容を具体化していきたいと考えています。区では、都市再生の展開内容を段階的に取りまとめていく中において、随時情報を発信するとともに、引き続き議会や地域住民の皆様の意見の反映に取り組んでいきたいと考えています。

Q: 最後に、新高島平駅周辺を路上禁煙区域とすることを求めて質問します。新高島平駅周辺は、新築のワンルームマンションも増え、駅周辺の歩行者用道路は狭く、路上喫煙が迷惑になることが多いです。特に駅北口付近の排水口は、ちょうど吸殻を捨てやすい位置にあり、ポイ捨てがやみません。近隣の幼稚園児や小学生、また高島高校の生徒も利用する駅であり、悪影響が懸念されます。ぜひ新高島平駅周辺を路上禁煙区域に設定してほしいと要望しますが、区長の認識を伺います。また、それが難しければ、「ポイ捨てはやめましょう」といった注意喚起標示の拡充など、対策を強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

A(区長): 新高島平駅周辺の路上禁煙区域の設定についてのご質問であります。エコポリス板橋クリーン条例に基づく路上禁煙地区につきましては、駅の乗降客数や周辺の商店街等の状況を踏まえて、現在、板橋駅周辺、成増駅周辺など8地区を指定しております。新たな指定につきましては、周辺でのポイ捨てや迷惑喫煙防止のため、公衆喫煙所の設置や巡回指導員の増員を併せて検討する必要がございまして、現時点では指定の対象としていないところでございます。しかしながら、迷惑喫煙やポイ捨ての防止のための路上禁煙地区の拡大等につきましては、地域の情勢や社会的状況を見ながら、今後も検討を続けていきたいと考えています。
最後になります。ポイ捨てに関する注意喚起についてのご質問であります。区では、路上禁煙地区以外の地区におきましても、歩きたばことポイ捨ての防止を図るため、区が管理する道路上に路面ペイントを実施しております。お申し出の件につきましては、現場の状況を確認した上、対応していきたいと考えています。

以上、11/25の一般質問を解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

引き続き、小さなものから大きなものまで、皆様のご意見を板橋区議会で取り上げてまいります。

こちらの問い合わせフォームから、お気軽にご意見ください!

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