5.28「へこたれへん区政報告会」報告の第2回です。
今回は、私からの区政報告「板橋区政から国政へのバトン」3テーマのその1、「高すぎる国民健康保険料」についてです。
国民健康保険(国保)は、元々は自営業者の方のための健康保険ですが、現在は、75歳未満の社保の枠組みに入らない方すべてが対象となっています。
結果、年金生活者や非正規雇用、フリーランスなど、経済的にあまり立場が強くない方々が国保に集まる構造になっています。
国保と協会けんぽ(中小企業サラリーマン)、組合健保(大企業サラリーマン)、共済組合(公務員)を比較してみると、国保は「平均年齢が高い」、結果として「医療費が高い」となり、そして経済的弱者が多いため「保険料の負担感が高い」ということになります。
国保の被保険者数(加入者数)は、全体として減少し続けています。
その理由は、ひとつは少子化。
1世帯あたりの人口が減れば、当然加入世帯の人口も減り、全体として被保険者数が減ります。
また75歳以上は後期高齢者医療制度に入るため、高齢化で75歳以上が増えているのも一因です。
いずれにせよ医療費全体を被保険者全体で頭割りしますので、被保険者数が減れば、その分、一人当たりの負担額が増えることになります。
実際の保険料はどうなっているか。
ここにも、コロナ禍が大きな影響を及ぼしています。
コロナ禍開始直後は受診控えなどにより医療費が減少したため、2021年度の保険料は一時的に減少しました。
しかし2022年度において、その反動で医療費が急増しました。
コロナ対応自体はすべて国費で行われていますが、おそらく関連する健康被害や受診控えの反動などがあり、医療費が上昇したのではないかと思われます。
結果、特に被保険者全員で均等に負担する「均等割」が大きく上昇してしまいました。
国保保険料は、最終的には板橋区議会で議決します。
この保険料は非常に厳しいとわかっておりますが、しかし23区共同の枠組みの中で税金を投入し、これでも税金で保険料上昇を抑えての金額となっています。
この枠組みから離脱したら、むしろ保険料が一層上がってしまう可能性もある…という中で、私としても、苦渋の決断で保険料額を定める議案に賛成をいたしました。
しかし、これはもう限界を超えているのではないか、と健康福祉委員会で申し添えました。
国民健康保険は、経済弱者が集中しかつ被保険者が減少する構造の中で保険料が決まっており、保険料負担率が高くなるのは制度上の問題であり、私は健康福祉委員会で「船底に大穴が空いた船」だと指摘しました。
これを板橋区単独でカバーするのは限界があり、国のほうで抜本的な制度改革を行う以外にありません。
これは、昨日今日わかった課題ではありません。
国保の制度と被保険者の動態からとっくにわかっている課題であるにも関わらず、自民党政権はこうした社会保障改革を放置し続けてきました。
こうした議論を進めるには、参議院がうってつけです。
解散があり眼前の課題の議論が優先されがちな衆議院に比べ、参議院は解散なしで6年間任期があり、このような難しい「積み残しの宿題」をやるには最適なのです。
ですから、当たり前なんですが、「真面目」「有能」「粘り強い」「地味なテーマでも放り捨てない」といった素養を持つ参議院議員を選ばなければならないと、私は心から思います。