中妻じょうた

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「すべての子どもたち」のために―新あいキッズ条例可決(1)

昨日(12/16)の本会議において、注目の新あいキッズ条例が可決しました。
私は本会議において賛成討論を行い、「すべての子どもたちを分け隔てなく対象とした安全な居場所づくり」の必要性を訴えました。



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討論全文は最後に掲載しますが、まず、ポイントを簡単に列挙します。

 

討論のポイント

すべての小学生児童を分け隔てなく対象とした、安全な居場所づくりが必要

特定の子どもたちではなく「すべての子どもたち」を対象とした、安全な居場所づくりの必要性は揺るぎないものであると訴えました。

先行11校に新あいキッズを導入し、既存あいキッズを維持する進め方は妥当

我々も保護者からの意見を数多くいただいてきましたが、「子どもを守る壁が必要だ」という意見がある反面、「仕組みがわかりにくい」「子どもを分断してほしくない」という声も多く受けています。
このため、平成26年度からは先行11校に新あいキッズを導入し、既存32校は従来通り一般登録と学童登録に分け、比較検討と課題の洗い出しをしながら改善をしていくという教育委員会の進め方は妥当であるとしました。

厚労省専門委員会に新あいキッズの意義を訴えるべし

議会での議論の中で、厚生労働省内の「放課後児童クラブの基準に関する専門委員会」で検討中の学童クラブガイドライン案が引き合いに出されたこともありましたが、この専門委員会の資料では「積み残しの論点」が明示されており、「生活の場・専用スペース」について柔軟な運用を可能とすることを示唆する記述があります。
今後、区と教育委員会は厚生労働省に働きかけを続け、新あいキッズがこのガイドラインに合致するものであって、児童福祉法に基づいていると認められるよう努力すべきだと訴えました。

障がい児本人の立場に立て

議論の中で、条例案第8条「心身に著しい障害があり、集団生活に適さないと認められるとき」にあいキッズ不承認ができると書かれていることを取り上げて「障がい者差別だ」と主張する向きがありましたが、集団生活に適さない重度の障がい児を保護者が無理にあいキッズに入れようとしたときにそれを断る手段がなかったとしたら、それは障がい児本人にとって大変な不幸です。障がい児とその保護者の実情に寄り添わない、字面だけの議論に与するべきではありません。

 

東京新聞がまたも一方的な記事、事実誤認の色合い濃く

本会議の翌日である今日、東京新聞朝刊に新あいキッズ条例可決に関する記事が掲載されました。

東京新聞:板橋区が「学童」廃止 条例案可決 自由参加型へ一本化:東京(TOKYO Web)

板橋区が「学童」廃止 条例案可決 自由参加型へ一本化

板橋区議会は十六日の本会議で、共働き家庭の小学生らを預かる学童保育(放課後児童クラブ)を二〇一五年四月に廃止し、登録した全児童が自由に参加できる「新あいキッズ」に一本化する条例案を賛成多数で可決した。新制度は学童保育と同様の制度として、有料の延長時間を設ける。二十三区で学童保育を廃止するのは渋谷区に続き二区目。

これまでも東京新聞はあいキッズに関して、一方的で誤解を生む記事を書いてきましたが、今回のはもう限りなく事実誤認に近いものです。

まず「学童」は廃止されていません。
既存あいキッズ32校には学童登録が残っていますし、あいキッズ平成27年度実施校がまだ10校残っていますので、それに対応する学童クラブもまだ残っています。
新あいキッズに「一本化」もされていません。新あいキッズが導入されるのは先行11校のみです。

新旧の制度を併用する中で検討と改善を図っていく進め方が妥当だと述べた私の賛成討論を聞いているはずだと思うのですが、そうしたことにはまったく触れられていません。
こうしたマスコミによる一方的な情報発信には、微力ながら異議を唱え続けていきたいと思います。

 

さて、新あいキッズ条例は可決しましたが、これは単に、新あいキッズを実施することが「可能になった」にすぎません。
これまでの議論でも、様々な課題が浮かび上がっています。それをどう解決していくのかが、次にやるべきことです。
次回は、あいキッズにまつわる「積み残しの課題」について論じる予定です!

 




討論全文

ただいまより、民主党・無所属議員団を代表して、議案第68号「東京都板橋区あいキッズ条例」について、賛成の立場から討論を行います。

これまで板橋区議会では、新あいキッズについて、多くの時間をかけて様々な角度から質問と議論を行なってきました。一部に、あたかも区議会での調査・検討が十分でないかのような論調もありましたが、8月23日の閉会中文教児童委員会においてあいキッズの見直しについての報告があって以来、10月には第3回定例会での報告および決算調査特別委員会における2名の委員の総括質問、11月には閉会中文教児童委員会における事業案およびパブリックコメント結果の報告があり、そして今定例会で議案上程されて6名の議員による一般質問があり、12月4日の文教児童委員会においては時間を延長して徹底的な議論がなされ、その上で賛成すべきものとして、現在本会議にて審議されているものです。

こうした議論の中で、新あいキッズに様々な個別の課題があることが指摘されてきました。経費削減は本当にサービス低下につながらないのか、子どもたちにきちんと目は届くのか、落ち着いて過ごせるスペースの確保はされるのか、児童館のあり方見直しによって大規模校では児童があふれかえるのではないか、おやつの時間は本当に17時でよいのか、オプションタイムのスポット利用はやらないのか、要支援児はしっかり受け入れるのか、等々、区民の声を受けて、議会でも多くの課題提起がなされてきましたし、それに対する区と教育委員会の答弁もありました。

今ここで議論すべき本論は、新あいキッズ条例案のその意義と各条文が適切で、事業の目的を達成できるかどうかです。各論や個別の課題においてはこれまでの議論同様、今後ともひとつずつ改善の提言を続けてまいりますが、すべての小学生児童を分け隔てなく対象とした安全な居場所作りの必要性は揺るぎないものと考えます。

重要なことは、「子どもが安心・安全に遊べる・学べる場があること」「子どもの健全育成が図られること」「保護者の就労支援を行うこと」、この3点を、板橋区の実状とニーズを踏まえて、地域主権で実現することです。

本条例案を判断するにあたっては、まず学童の待機児童解消が求められる中、全児童対策事業であるあいキッズにより待機児童がゼロになったということは忘れてはならない成果です。
ただ、文部科学省の「放課後子ども教室事業」と厚生労働省の「放課後児童健全育成事業」をそれぞれ維持する形をとったため、「一般登録」と「学童登録」という2つの制度が存在することとなり、スペースとプログラムをこの2つで分けなければならなくなるという障壁が生じることになったのです。

この障壁のため、同じクラスの仲の良い友達同士が、仕組み上の理由で、一般登録の部屋と学童登録の部屋に別れなければならないのが従来型のあいキッズです。制度によって子ども同士のコミュニティに悪影響が及ぶことは望ましくありません。子ども同士のコミュニティ形成のために、きちんとした制度の整備を行うのが本筋であり、子どもの立場に立った視点を持つことが重要ではないでしょうか。
保護者からの意見としては、「その壁こそが子どもを守るために必要だ」とする意見がある反面、「仕組みがわかりにくい」「子どもを分断してほしくない」という声も多く受けております。
これらの意見を受けて打ち出された新あいキッズを、平成26年度に新たにあいキッズが導入される10校と、指定事業者が変更される舟渡小を加えた11校について先行して導入し、既存32校はそのまま従来型あいキッズを継続して、比較検討と課題の洗い出しを行いながら改善・導入を図っていくという進め方は妥当なものであり、先に上げた個別課題もこの併用の中で改善を図っていくことができると我々は考えます。

これまでの議論の中で、現在厚生労働省内で行われている「放課後児童クラブの基準に関する専門委員会」が引き合いに出されたこともありましたが、現時点の資料では「積み残しの論点」が明示されており、その中には、「放課後子ども教室と一体的に事業を実施する場合など、留守家庭児童とそれ以外の子どもとが同じ部屋で過ごすケースも想定される。生活するスペースは専用とすることを基本とするが、各クラブの実状に応じ、児童の健全な育成を図る上で支障を及ぼさない場合には専用でなくてもよいこととする」という記述もあり、今後、新あいキッズが児童福祉法に基づいていると認められ、国の補助金も出るようになるとことも考えられます。職員基準についても、新あいキッズでは少なくとも児童35人につき職員2名を充てることとしており、専門委員会のガイドライン案よりも既に手厚くなっています。
板橋区が地域主権で展開しようとしているこの新あいキッズが、放課後児童健全育成事業として適切であると認められるよう、厚生労働省に対して働きかけを続けていくことを区と教育委員会に要望いたします。

また条例案で課題とされている土曜日の扱いについては、教育長の答弁によると「児童の土曜日の過ごし方は過渡期にある」とされており、不透明さが残ります。しかし従来型あいキッズでも土曜日は休みであり、新あいキッズでもまずはそれを引き継ぐのが順当だと考えます。土曜日の児童の過ごし方について、児童と保護者の立場に立った検討が行われるよう求めます。

なお、議会で述べられた意見の中で、条例案第8条にて「心身に著しい障がいがあり、集団生活に適さないと認められるとき」に教育委員会があいキッズの承認をしないことができると書かれていることを問題視する向きがありますが、例えば集団生活が本人にとって苦痛であるような重度の発達障がい児や、医療行為が必要で集団生活が困難な障がい児を、仮に保護者があいキッズに入れようとしたときにそれを断る手段がなかったとしたら、それは何よりその障がい児本人にとって大変な不幸です。
大事なことは、まずその学校に通っている要支援児が、希望すればちゃんとあいキッズに入れること、そしてボーダーにいる児童に対する配慮がきちんとなされることです。障がい児とその保護者の実情に寄り添わない、字面だけの議論に与するべきではないと考えます。

以上、新あいキッズ事業については区と教育委員会のさらなる説明と改善を求めた上で、本議案につきましては賛意を表明し、討論を終了いたします。ありがとうございました。


ブログ筆者プロフィール

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中妻 じょうた 板橋区議会議員

板橋区議会議員「IT区議」中妻じょうたです。 長年ITプロフェッショナルとして働いてきた経験を生かし、より多くの区民の声を区政に反映する仕組みづくり、そして人の可能性を伸ばす教育・子育て、また障がい者福祉など社会弱者の対策に力を入れていきます。 仙台出身。東日本大震災被災地支援や原発問題には積極的に関わっていきます。 趣味は中国武術、マラソン、ゲーム、読書など。

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